都塚古墳は蘇我稲目の墓か?/やまとの謎(95)
奈良県明日香村の都塚古墳が、墳丘を5段以上の階段状に築いたピラミッド形の大型方墳と分かり、村教委と関西大考古学研究室が13日、発表した。
奈良県明日香村の飛鳥の宮跡から南南東約1.2キロの阪田・祝戸地区にある。
ピラミッド形「階段状」巨大方墳 6世紀後半、蘇我稲目の墓か
ピラミッド形「階段状」巨大方墳 6世紀後半、蘇我稲目の墓か
7世紀前半、権勢を誇った蘇我馬子(稲目の子)の墓とみられている石舞台古墳が近くにある。
石舞台古墳は、私も何回か訪れたことがある飛鳥時代の代表的遺跡だ。
⇒2008年9月 5日 (金):網干善教氏と石舞台古墳
一番最近は、発症後におそるおそる車椅子を用意しての平城遷都1300年の年である。
⇒2010年10月26日 (火):聖武天皇の宝剣?/やまとの謎(3)
石舞台古墳
上の写真でも分かるように、一種の巨石古墳である。
都塚古墳は、元旦に金の鳥が鳴くという言い伝えから、「金鶏塚古墳」とか「金鳥塚」といわれているが、馬子の父にあたる蘇我稲目が埋葬されのではないかとされる。
蘇我氏の系図は以下のようである。
http://homepage1.nifty.com/o-mino/page896.html
系図で分かるように、飛鳥時代に1つの時代を画した大王級の人物であった。
都塚古墳はかって盗掘を受けたことがあり、封土も大半が失われている。
江戸中期の国学者、本居宣長の紀行文「菅笠日記」には、用明天皇を葬ったという伝承とともに「みやこ塚」と紹介されている。
明治、大正時代には、巨石を使った横穴式石室の中に朱を塗布した巨大な家形石棺があることが報告され、早くから注目されていたが、史跡には指定されていない。
今回の調査で、最下部が、のり面を河原石で固めたテラス(基壇)になっており、その上に石積みの階段を重ねて墳丘を築いていたことが分かった。
墳丘の規模は、東西41メートル、南北42メートルで、最下段と上部の間の未調査部分に更に数段あるとみられ、全体では8段前後に復元できるという。
ピラミッド形「階段状」巨大方墳 6世紀後半、蘇我稲目の墓か
同時代の敏達天皇が葬られたのは前方後円墳、次の用明、崇峻、推古の3天皇が葬られたのは方墳とされる。
大王陵が前方後円墳から方墳に切り替わる直前の築造とみられるが、これらの大王陵や石舞台古墳はいずれも2〜3段である。
階段状の方墳は5世紀まで朝鮮半島北部の高句麗で築かれたというから、蘇我氏のルーツに関係があるのかも知れない。
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申し込み:FAX 06-6533-3206
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(先着順、定員200に名になり次第締め切ります。)
問い合わせ:きんき創生クラブ (なにわ制作技研内)
06-6533-3206
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投稿: きんき創生クラブ | 2015年1月 6日 (火) 14時36分