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2014年7月11日 (金)

亡国の脱法ドラッグに有効な規制を/日本の針路(7)

脱法ドラッグを吸引して自動車事故を起こすニュースが相次いでいる。
脱法ドラッグとは何か?
Wikipediaでは、以下のように説明している。

脱法ドラッグ(だっぽうドラッグ、英: legal intoxicant、quasi-legal drug)とは、法律に基づく取締りの対象になっていない薬物。麻薬と同様の効果を持つ物質を指す。合法ドラッグとも呼ばれる。厚生労働省は違法ドラッグと呼称している。
日本において脱法ドラッグは、吸飲や経口等で摂取し、中枢神経系に作用し酩酊・多幸感・幻覚などの向精神作用をもたらす薬物のうち、法律、条例、省令等によって、所持や摂取、売買の禁止対象となっていない薬物のことを指す。例として、かつて脱法ドラッグであった、強い効果を持つ2C-T-7(2006年に麻薬に指定)は五感の歪みや幻覚を感じ、弱い効果を持つラッシュ(2006年に指定薬物に指定)は数分程度の間酩酊感を得る。日本において、脱法ドラッグが登場し始めたのは1990年代の後半とされ、2000年頃インターネットの普及などに伴い濫用が広がったとされる。
ただし、脱法ドラッグであっても、販売の名目の如何に関わらず事実上人体摂取目的に販売したと判断される場合は「無承認・無許可医薬品の販売」として薬事法違反での取り締まりの対象となる。しかし、「事実上人体摂取目的に販売したと判断される場合」が曖昧なため、いまだにアダルトショップやインターネット上で、クリーナーや芳香剤、研究用試薬、観賞用などと謳って販売されていることがある。

要するに、脳・中枢神経系を麻痺させる効果を持つ物質である。
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使ったらどうなるの?

脳・中枢神経系の高度な発達が人間を他の動物との違いである。
とすれば、意識的に脳・中枢神経系を麻痺させることは人間失格ともいえる。
事実、事故のニュースを聞いて感じるのは、人間性への懐疑である。

向神経作用という意味では、酒類も同じであるという意見がある。
程度の問題であると思われるが、脱法ドラッグの場合、余りにも副作用が強く大きい。

いわゆるドラッグの類は、一時的にいい気分になると言われていますが、その作用が切れたときの絶望感や不安感は、耐えられないほどに強いので、それから逃れるために、またドラッグに手を出してしまい(依存)、次第に自分の意志では止められなくなってしまいます。
また、繰り返し使用していると、一回に使う量がどんどん増えていきます(耐性)。こうなると、薬物欲しさに暴力事件を起こしたり、窃盗などの犯罪に手を染めるなど、薬物無しでは生活できなくなります。
さらに、いったん薬物依存症に陥ると、治療には長い期間が必要となります。その間に家族や友人を失ったり、若い人は将来が閉ざされ、一生を台無しにしてしまいます。
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使ったらどうなるの?

現在は、薬事法で「指定薬物」に指定し、製造や販売を禁止している。
今年4月からは所持や使用も禁じられている。
現在指定を受けている物質は、1300種を超えるというが、個別の物質を指定するという方法に限界があるのは明らかである。
化学物質は無限にあると言ってもいい。

規制対象になっていない類似の効果を持つ物質をどうするか?
出回った特定の物質を薬事法で規制しようとすると、規制対象に指定するまでに数カ月の時間がかかり、その空白の時間に脱法ドラッグ業者は別の規制されていない成分を使ったドラッグを売り出してしまう。
規制が始まるころには、かつての製品は販売を打ち切るので規制が追いつかない。
いわゆるイタチゴッコであるが、それでは不十分であることは当然である。
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脱法ドラッグを吸って、罪に問われることはあるか

次々と現れる類似のドラッグを「実質的に同等である」とみなし、規制をしようという動きもある(包括規制)。
しかし、「実質的に同等」というのが定義が難しい。
余りに裁量の範囲が大きいことは、刑事法制の精神に違反することになる。

しかし、報道されている事件は明らかに公共の福祉を阻害している。
有効な法制を早急に確立しなければ亡国という事態になる。
5万4千人の中学生を対象にした厚生労働省の調査によれば、使用経験があると答えたのは120人で、脱法ドラッグが入手可能としたのは15%に上った。
脱法ドラッグの経験者は、約6割に大麻や覚醒剤の使用経験があることも判明した。
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脱法ドラッグ、中学生120人が「経験」 5万人調査

中学生と言えば好奇心が旺盛な年頃である。
しかし、何らかの抑止対策を講じないと、人生を棒に振る結果になる。
大人の責任は大きい。

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