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2014年6月21日 (土)

故意と悪意/「同じ」と「違う」(77)

STAP細胞をめぐる問題で、共著者の1人である若山照彦山梨大学教授が16日記者会見を行い、自身が保管していたSTAP幹細胞は、小保方晴子氏に作製を依頼して渡したマウスとは別系統の細胞だったとの解析結果を発表した。

 若山氏は「STAP細胞があることを示す証拠はなかった。全ての解析結果が存在を否定する方向だが、絶対にないと言い切ることもできない」と述べた。若山氏は、STAP細胞の作製を山梨大で何十回も繰り返したができていないと明かした。
 解析は第三者機関が実施。若山氏は、小保方氏が作ったSTAP細胞を培養し、増殖能力を高めたとするSTAP幹細胞を作製して保存していた。
若山照彦山梨大教授「STAP否定する方向」 小保方氏、別マウスで作製

また、理研の小保方研究室の冷凍庫からラベルに「ES」と書かれた容器が見つかった。

理研が容器内の細胞の遺伝子を解析したところ、15番染色体に、細胞を光らせる遺伝子が挿入されており、若山照彦・山梨大教授の研究室に保存されていたSTAP幹細胞を第三者機関が解析した結果と一致していた。理研は「この細胞がES細胞(胚性幹細胞)であるかどうかや、若山教授に渡したものと同一かは不明」とし、今後も検証を続ける。
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STAP細胞:小保方研究室に「ES」と書かれた容器

どうやら小保方リーダーが論文に記載したSTAP細胞は、ES細胞が混入していたものだったようである。
だとして、理研の下した小保方懲戒処分は妥当だったといえるだろうか?
問題は、混入が意図的な捏造か、不適切な実験によるミスだったか、である。

理研の規定は、研究不正について、「悪意のない間違い及び意見の相違は含まない」とある。
理研調査委は「悪意」について「偽装など加害目的のような意図を必要とするものではない。故意と同じ」と説明し、渡部委員長は「小保方氏側に『悪意』という言葉に誤解があった。同じ規定で、一般的な意味で『悪意』という言葉を使った記載もあり、規定の文言にも問題がある」と述べた。
一方、小保方氏側は、画像の不備について「過失であり、不正でない」と訴えた。
⇒2014年5月 9日 (金):理研は説明責任を尽くしているか?/知的生産の方法(94)

私は、小保方氏が意図的な捏造を行った可能性は、ほとんど無いだろうと思う。
捏造が通用するほど甘い世界ではないだろう。
すなわち「故意」ではなく、「過失」というべきであり、理研の下した処分は疑問との立場である。
小保方氏は、ミスすなわち未熟であったことを問われても、不正を問われる筋合いではない。

故意と悪意は、理研調査委の言うように、「同じ」概念なのだろうか?
それとも、「違う」要素があるとすれば、どう違うか?
Yahoo知恵袋に、「法律でいう故意と悪意ってどう違うのでしょうか? 故意なら必ず悪意になりますか?」という質問があり、以下のような回答が寄せられている。

故意は過失と違って、わざとやることです。
刑法で使う言葉です。
悪意は善意と違って、事実を知っていることです。
民法で使う言葉です。
たとえば、自分に所有権がない事を知っていて売ることは他人物売買ですので、悪意といえば悪意ですが、他人から所有権を取得する交渉を現にしている場合、買主を騙す故意はないですよね。
逆に、自分に所有権があるかどうかよくわからないんだけど、もしなかったとしても別に構わないや、と思って売り飛ばしたら、詐欺について未必の故意があることになりますが、所有権がないことについて悪意だったわけじゃないですよね。
違うものは違う、ということでいいんじゃないでしょうか。

上記を前提とすれば、理研調査委は、規定の解釈も、適用も間違っていることになる。
もちろん、小保方処分に限定してのことであり、小保方氏の未熟性、そのような小保方氏を登用し、論文を書かせ、割烹着姿の演出までした問題の根源を問うこととは別問題である。

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