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2014年6月11日 (水)

誰のための混合診療か?/アベノミクスの危うさ(32)

安倍首相は10日、「混合診療」について、患者の希望があれば、一定の基準の下で全国の病院や診療所で実施できる新たな制度をつくると正式表明した。
規制改革の一環で、成長戦略の1つの柱ということである。
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日本経済新聞6月10日

患者の希望に沿って診療を行えるようにすることは、望ましいように思える。
特に難病罹患者にとっては、多少なりとも可能性があるなら、ぜひ受診したいと願うだろう。
しかし素朴に考えて、「診療のあり方が成長戦略の柱?」という疑問が湧く。

患者の選択肢というが、難病患者の診療にも貧富の差ということか?
従来禁止とされていたことの問題点はクリヤーされたのか?

わが国の健康保険制度は、健康保険でみることができる診療(薬や材料も含む)の範囲を限定している。
混合診療とは、健康保険の範囲内の分は健康保険で賄い、範囲外の分は患者自身が費用を支払うことで、費用が混合することを言う。
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http://www.med.or.jp/nichikara/kongouqa/qa/01.html

自己負担分を拡大しようということであるが、「安全な医療を、貧富の差にかかわらず受けられる」という原則とは相容れないものでもある。
新たな制度は、「患者申し出療養制度(仮称)」といい、下図のような内容である。
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患者の希望で混合診療可能に 首相が正式表明

新制度は、患者が、未承認の新薬や医療機器による治療を望めば、相談を受けた医師は、東大病院などの実績のある臨床研究中核病院と協力し、混合診療の申請ができるようにする。
治療内容の安全性や効果を医師が説明し、患者が納得することが前提であり、病気の種類や治療法に制限は設けない。

制度改革が、本当に安倍首相のいうように、患者本位の制度になるのかどうか?
医療費あるいは医療保険給付費の圧縮という狙いが透けて見えるような気がするのは、保険制度に頼らざるを得ない者の僻みだろうか?
公的医療保険で扱うべき医療の範囲を縮小し、その分を自由診療に移し変えようというものでなければ幸いである。

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