白蓮の鈴と裾野市の佐野原神社/富士山アラカルト(8)
静岡県裾野市の佐野原神社で、6月22日、柳原白蓮が奉納し、今年5月に見つかった本坪鈴が一般公開された。
静岡新聞6月23日
佐野原神社はJR御殿場線の裾野駅に近い場所にあるが、子供の頃、境内でチャンバラごっこをしたことがある思い出の場所である。
現在は隣接地域が、裾野駅前の区画整理区域になっていて、虫食い状態である。
佐野原神社の祭神は、二条為冬卿である。
為冬は「和歌の家」御子左家嫡流二条為氏の三男として生まれ、和歌の才能に恵まれた。
後醍醐天皇の信任も厚かったが、南北朝の争いに巻き込まれ、足利尊氏らを討つため尊良親王に従って出陣したが、建武2(1334)年12月12日に斃れた。
明治維新後、国や地元有志の努力で残されていた将軍塚の前に社殿を建て、明治9(1876)年佐野原神社として創立された。
和歌に秀でた祭神を祀る神社に歌人が奉納するのは自然だ。
柳原白蓮は、NHKの朝の連続ドラマ『花子とアン』の主要な登場人物である。
花子とは「赤毛のアン」を翻訳出版する村岡花子(吉高由里子)のことであり、花子の「腹心の友」として葉山蓮子(仲間由紀恵)がいる。
蓮子が、後に歌人として名を成すことになる白蓮事件で有名な白蓮(本名・燁子)である。
白蓮事件は、1921年(大正10年)10月20日、柳原白蓮が、滞在先の東京で出奔し、社会運動家で法学士の宮崎龍介と駆け落ちした事件である。
NHKのドラマでは、宮崎龍介は、宮本龍一という役名になっている。
父は孫文達を支援して、辛亥革命を支えた有名な革命家の宮崎滔天であり、龍介は編集者・弁護士・社会運動家として活動した。
今週は、カフェー・ドミンゴでブルジョアの妻である蓮子にケンカを売った龍介が、ケロッとして九州まで脚本を書いてくれるように会いに行くシーンで始まった。
つまり、龍介は、直情径行というか短絡的な男として描かれている。
新聞紙上で妻白蓮から夫への絶縁状が公開され、それに対して夫・伝右衛門から反論文が掲載された。
センセーショナルに世間を賑わしたであろうことは容易に想像できる。
時代の先端のさらに先をゆく女性だったのだろう。
6月23日の日経新聞の朝刊コラム「春秋」が書いているように、「女性の相棒モノ」が人気になっているようだ。
去年の『あまちゃん』もアイドルを目指す高校生コンビという設定だったし、評判のディズニー映画『アナと雪の女王』も姉妹である。
未だにレベルの低い性差別発言が止まらないが、心強いのは「同性の相棒」ということだろうか。
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コメント
佐野原神社に参拝していただき、また白蓮の鈴を御覧になっていただきありがとうございます。
佐野原神社ではホームページを開設いたしました。
白蓮の鈴が発見した経緯をその場の様子など書かせていただきました。http://www.sanohara.jp/です。よろしければご覧ください。佐野原神社社務所
投稿: 佐野原神社社務所 | 2018年1月15日 (月) 12時26分