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2014年6月 6日 (金)

渡辺恒雄氏の老醜/人間の理解(4)

人間は、歳をとるとともに、さまざまな障害が現れてくる。
老醜という現象もその1つであろう。
老醜とはどういうことか?

一般的には、「年をとって姿などが醜いこと」(デジタル大辞泉)である。
しかし、次のような解釈もある。

むろん、「醜」という字には「みにくい」「悪い」「憎む、嫌う」などという意味があります。さらに、「恥じる、恥ずかしく思う」「恥」「比べる」「たぐい、仲間」「もろもろ、多人数」などという意味も含まれているのです。
・・・・・・
それは、ちょうど「悪」と言う字が「悪い」という意味の他にも、接頭というのでしょうか名詞の最初に付いて、畏敬の念を抱かせる強さを意味するのと似ています。例えば、「悪源太 」のようにです。
老醜現象というやっかいな症候群

渡邉恒雄という「独裁者」がいる。
渡邉氏自身が、「俺は最後の独裁者だ」と言っているから間違いないだろう。
株式会社読売新聞社社長、株式会社読売巨人軍オーナー、社団法人日本新聞協会会長などを歴任し、株式会社読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆、株式会社読売巨人軍取締役会長の現任である。
齢88歳、通常の会社ではとっくに引退している年齢である。

その独裁者・渡辺氏とプロ野球巨人元代表の清武英利氏が泥沼の争いをしている。
代表を解任された清武氏と巨人側が、互いに損害賠償を求めて訴訟をしているのだ。
Vs
静岡新聞6月6日

独裁者・渡辺氏の証言を見て、認知能力に疑問を持ったのは私だけであろうか。

 プロ野球巨人の球団代表解任をめぐり、元代表の清武英利氏と巨人側が互いに損害賠償などを求めている訴訟で5日、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長が証人として東京地裁の法廷に立った。渡辺氏は、清武氏側が主張するコーチ人事への不当な介入について否定した。
 渡辺氏は尋問で、2011年10月に清武氏らから次季人事案の報告を受けた際の状況を振り返り「人事案を了承した覚えは全くない」と強調した。報告に対し「そうか、わかった」と発言した意味を問われると「早く僕の前から帰ってもらうために言った」と説明した。清武氏側はいったん了承された人事案が覆されたと主張している。
 この訴訟は巨人側が「清武氏が虚偽の事実を公表した上、重大な守秘義務に違反した」と1億円の損害賠償を求めたのに対し、清武氏側が不当な解任だとして、巨人側と渡辺会長に約6千万円の賠償などを求め反訴している。
 清武氏は11年11月に記者会見を開き、渡辺会長がコーチ人事に不当に介入したと批判。巨人は「取締役として適格性を欠く」として代表を解任した。巨人側と清武氏は、解任後の対応をめぐり別の訴訟合戦も繰り広げている。
G渡辺会長「不当介入」を否定 清武氏解任訴訟で証言

私は巨人という球団の内部事情に通じているわけではないが、独裁者と自認する人に案を持って行って報告した際に、「そうか、わかった」と言われた状況をイメージすることはできる。
当然、「了承した」と考えるだろう。
「早く僕の前から帰ってもらうために」言われたとは、まず思わないはずである。
反対であれば、「否=No」と言うことに何の障害があるわけでもないからだ。

「清武氏が虚偽の事実を公表した」かどうかは認識の問題ではあるが、客観的に見て「虚偽の事実」とは思えない。
つまり、この訴訟については、清武氏側に理があると考える。
とすれば、渡辺恒雄氏の姿は、デジタル大辞泉の定義の通り、「年をとって姿などが醜いこと」と言わざるを得ない。
決して、「仲間が多い」とか「畏敬の念を抱かせる強さ」というような意味ではない。

渡辺氏にも当然純真な若い時代があった。

東京大学在学中の1945年12月に日本共産党に入党を申し込む。日本青年共産同盟の同盟員としてビラ貼りや演説会の勧誘など下積みのような活動を経験して、1947年頃、正式な党員として認められる。東大学生細胞(共産党が地域・職場などに設けた末端組織の旧称)に所属し、他大学でも演説を行い党員を増やしたが、1947年12月、自ら離党届を提出し、結果的に離党ではなく除名される。
渡邉恒雄(Wikipedia)

長生きをするのはめでたいことだが、老醜を晒すのは如何なものか?
主筆として君臨する新聞が健全なジャーナリズムであるとも思えない。
一方、清武氏も辣腕のジャーナリストだった。

立命館大学経済学部卒業後、1975年読売新聞社入社。東京本社社会部次長時代に、第一勧業銀行総会屋事件や山一證券の破綻などをスクープ。
清武英利(Wikipedia)

私は、ある資金調達プロジェクトを山一證券主幹事で実施したが、その償還が終了しないうちに破綻してしまい、大きな影響を受けた。
ある意味で私の人生における想定外の出来事であったが、清武氏の書いた『しんがり 山一證券 最後の12人』 講談社((2013年11月)を読んで振り返るよすがとしてみたい。

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