「失言」体質と自民党の病理/花づな列島復興のためのメモ(334)
しつこいようであるが、政治の世界で流行している「失言」について付言したい。
⇒2014年6月20日 (金):品位を欠く政治家にレッドカードを!/花づな列島復興のためのメモ(332)
⇒2014年6月23日 (月):ホンネの表出としての失言/花づな列島復興のためのメモ(333)
一件落着とするには余りにも大きい問題が含まれていると考えるからだ。
第一は、石原伸晃環境相の「金目発言」。
お詫び行脚だそうである。
石原伸晃環境相は23日午前、東京電力福島第1原発事故の除染に伴う中間貯蔵施設を巡る「最後は金目(かねめ)でしょ」との自身の発言について、建設候補地の福島県大熊町の渡辺利綱町長と面会し「深く反省している。町民に不快な思いをおかけし、心からおわびしたい」と謝罪した。渡辺町長は「多くの町民が不快な感情を持っているのは事実。ただ直接、速やかに来ていただいたことは大きなけじめと受け止める」と述べた。
石原環境相は、同県会津若松市にある大熊町役場出張所を訪問。「品位を欠く表現で、お金で解決すると受け止められ、厳しい意見をいただいた」と頭を下げた。午後には、もう一つの候補地である同県双葉町の伊沢史朗町長や佐藤雄平知事とも会い、発言をわびる。
石原環境相:金目発言「深く反省。心からおわび」謝罪行脚
私には、「直接、速やかに」出向くことが、どうして「大きなけじめ」になるのか良く分からないが、それはともかくとして、念のため辞書で「金目」を引いてみると、以下にようである。
かね‐め 【金目】
1 金銭的価値の高いこと。高価。「―の品」
2 金銭に換算した価値。値段。「―に積もらば拾七八貫目が物あり」〈浮・万金丹・五〉
この解説では、環境相自ら言うように、「品位を欠く表現」であるには結びつかないような気もする。
しかし、言葉の意味は文脈の中で確定する。
石原氏は否定しているが、補償交渉を金で解決しようという意図と解さざるを得ない。
文学者の子息にしては、著しくデリカシーに欠けているし、品位を欠いているのは間違いない。
慎太郎氏には家庭教育についての一家言があったはずであるが、その辺りはどうだったのだろうか?
都議会の発言については、自民党の鈴木章浩議員(51)が「早く結婚した方がいい」と発言したことを認めた。
私はよく知らなかったが、鈴木議員はいわくつきの問題議員のようである。
2012年8月19日に、尖閣諸島の魚釣島沖に戦没者の慰霊名目で洋上から接近した日本人のうちの1人である。
石原都知事が都で購入するとしていた時期であり、選挙区からしても石原慎太郎シンパと考えられる。
とすれば、2つの「失言」は、慎太郎的な何かで結びついているとも言える。
猪瀬前知事の徳洲会問題では、百条委設置を提唱して辞任のお膳立てをした「功労者」である。
自民党は、所属議員への聞き取り調査をした結果、吉原修幹事長が「『早く結婚した方がいい』以外のヤジを聞いた議員はいなかった」と結論づけた。
開いた口を閉じられないとはこのことだろう。
TVでさえ、他の発言があったことは聞き取れる。
このまま閉会して幕引きを図ろうとしている自民党の態度を有権者は忘れないようにすべきであろう。
東京新聞6月26日
自民党の驕りであるが、何重にも卑劣な行為で、中学生のイジメに通じるのではないかと思う。
発言者が特定され難い状況で、事実存在したはず他の発言者は現時点では不明である。
選挙の時は自分の名前を連呼していたであろうにもかかわらず、匿名という仮面を被っているのである。
発言を認めた鈴木議員も、当初は否定していた。
仲間意識によってウヤムヤにしてしまえばしめたもの、というようなココロが手に取るように透いて見える。
「大げさに騒ぐな」という大人ぶった意見もあるようだが、陰湿で、幼稚と言わざるを得ない。
慎太郎氏は勇ましい発言がお好きなようだが、根底にあるのは弱いものイジメである。
安倍首相も、福島の復興や女性の活用を口にするなら、本気で毅然とした態度で臨むべきだろう。
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