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2014年5月27日 (火)

緊迫するウルムチ/世界史の動向(14)

中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市中心部の朝市で、テロが起きた。
22日午前7時50分ごろ、2台の車が人混みに突っ込み、市民らをはねた後に爆発・炎上した。
国営新華社通信などによると、31人が死亡し、94人が負傷した。
ウルムチと言っても一般の日本人には馴染みが薄い。
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北京や上海からは遠く離れたところである。
昨年10月には、北京の天安門広場で、ウイグル族が関与していると見られる自動車の自爆テロが起きている。
⇒2013年11月 4日 (月):天安門自爆テロ?/世界史の動向(1)
中国政府への根強い反発が動因となっていることは明らかである。

中国共産党は26日、新疆ウイグル自治区のウルムチで22日に起きた爆発事件を受けて政治局会議を開き、自治区における政策方針は「完全に正しい」と強調する一方、「反テロ闘争の長期性、複雑性、先鋭性を深刻に認識しなければならない」として相次ぐ事件に危機感をにじませた。会議は習近平国家主席(総書記)が主宰した。
http://mainichi.jp/select/news/20140527k0000m030134000c.html

中国公安省は、今後1年間、「暴力テロ活動取り締まり特別行動」を全国で展開すると明らかにした。
公安省の幹部は、「あらゆる方法を用いてテロを防ぎ、極端な宗教活動が広まるのを阻止せよ」と発言し、新疆を主戦場としつつ、その他の省や市の協力も得ていくとしている。

中国から海外に亡命したウイグル人の組織を束ねる世界ウイグル会議という組織がある。

世界ウイグル会議(せかいウイグルかいぎ、ウイグル語:دۇنيا ئۇيغۇر قۇرۇلتىيى, Dunya Uyghur Qurultiyi、英語:World Uyghur Congress)は、世界各国のウイグル人組織を統括する上部機関。ドイツのミュンヘンに拠点を置く。
東トルキスタン及び海外のウイグル人の利害を代表する唯一の国際機関を標榜し、平和的手段によるウイグル人の政治的地位確立を主張している。加盟組織は20を超え、在外ウイグル人組織では最大の運動組織である。
世界ウイグル会議-Wikipedia

同会議のラビア・カーディル主席は、中国新疆ウイグル自治区ウルムチで爆発事件などが相次いだことについて「問題の核心を見ることを拒否し、誤りに誤りを重ねている」と中国政府を批判している。
おそらく力で抑えつけようとしても抑えきれないであろう。
中国という国が統一的に存続し得るのかどうか、きわめて危うい分水嶺に差し掛かっているように思われる。

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