人口減少の過程と問題/ケアの諸問題(7)
少子高齢化の問題はずいぶん前から指摘されている。
少子化の帰結として、わが国の総人口は、これから先急減していくと言われている。
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2011/02/3000-2eb8.html
このことは比較的よく知られていることであるが、私たちは日本史上きわめて特異な時代を生きていることになる。
最近、改めて地域との関係で、将来人口の問題が取り上げられている。
5月1日のNHKのクローズアップ現代で「極点社会~新たな人口減少クライシス~」という番組をやっていた。
同様の内容が、「中央公論」誌の2013年12月号に『壊死する地方都市』で特集されている。
東京大学大学院客員教授・増田寛也(前岩手県知事)を中心とする「人口減少問題研究会」による研究結果である。
増田氏らは、これから地方が消滅する時代であるとする。
人口減少が
進むことにより、地域コミュニティの機能が低下するばかりか、医療や教育などの必需的な公共サービスが維持できなくなるというのだ。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、介護の世界で悲惨な事態が発生すると予測されている。
人数の多い団塊の世代の要介護のリスクが高まり、介護需要が急増すると見られるのに対し、介護する側の人数が圧倒的に少ない。
⇒2014年4月 6日 (日):平均寿命の延伸と高齢化社会/ケアの諸問題(3)
⇒2014年3月23日 (日):認知症患者の増大と在宅ケア/ケアの諸問題(2)
⇒2014年2月17日 (月):「徴介護制」はあり得るか?/花づな列島復興のためのメモ(308)
⇒2014年2月 6日 (木):揺れる介護福祉士養成制度/花づな列島復興のためのメモ(304)
以下は、義母の介護を始めたある女性の投稿である。
私は義母の介護を始めて、現在3ヶ月目です。
弟嫁と交代で看ています。
月に数回大学病院に通院しているのですが、少し慣れてきて病院でふと周りを見渡すと、義母と同じような要介護の老人と私のような付き添いの人であふれ返っていました。
付き添いの人は女性に限らず男性も結構いました。
みんな働く年代です。
これだけたくさんの老人一人につき、一人の働く世代が拘束されているという現実を目の当たりにして、なんだか怖くなってしまいました。
これから少子化でますます老人だらけになるというのに、私達が老人になる頃には日本はどうなってしまうんだろう。
働く人が皆老人に取られてしまって、会社が廃墟になったイメージが頭に浮かんできて、暗澹たる気持ちになりました。
ああ、長生きしたくないとつくづく思いました。
皆さんはどう思われますか?
日本は将来年寄りに食いつぶされる?!
高齢者は、どこを終の棲家とし、誰に介護されながら人生を終えるのであろうか?
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