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2014年5月13日 (火)

軽度認知症とその対策/ケアの諸問題(9)

厚労省は昨年、「軽度認知症(MCI)」に人が全国に400万人いると発表した。
認知症ではないがボーダーライン上にいる人である。
放っておけば認知症を発症する予備軍ともいえる。
加齢とともに認知症発症のリスクは高まる。
年齢が75歳を超えたあたりから、急激に有病率が増えていく傾向にあり、高齢者を前期と後期に分けるのにも理由がある。
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認知症の有病率は高齢になると急上昇する

先日も、91歳になる夫の起こした列車事故の損害賠償を85歳の妻に命じるという高裁判決が出た。
⇒2014年4月29日 (火):認認介護という現実/ケアの諸問題(6)
介護の現場を無視した教条的な判決というべきである。
さすがに週刊誌でも批判している。
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週刊現代2014年5月24日号

5月11日に放映されたNHKスペシャル「行方不明者1万人」という番組で紹介された女性の身元が判明したと昨日報道されていた。
女性は、7年間も群馬県内の施設で暮らし続けていたという。
さすがに全国ネットのTV の威力であると思うが、もう少し早く何とかならなかったものかと思う。

夫は、女性の行方が分からなくなった直後、警察に届け出たほか、自分たちでもチラシを作って地域に情報提供を呼びかけたものの、手がかりは得られなかったという。
女性が保護されたとき身に着けていた靴下に「ヤナギダ」、下着に「ミエコ」といずれもかたかなで書かれているなど多くの手がかりがあったが、7年もの間元不明のままだった。
女性は大学を卒業後、ラジオ局でアナウンサーなどとして勤めていたという。
聡明な女性であったと推察されるが、60歳くらいで発症したことになる。
誰にでも発症リスクがあるということだろう。

ところで、認知症のチェックポイントは何か?
岐阜市で「もの忘れ外来」を開く奥村歩医師によれば、以下のようである。

(1)同じ事を何度も言ったり聞いたりする
(2)人と会う約束を忘れる
(3)最近の印象的な出来事を覚えていない
(4)電話で聞いた事を家族に伝えられない、覚えていない
(5)財布、鍵など大事な物を置き忘れる
(6)薬の管理ができなくなった

まあ、誰にでも思い当たるようなこともあるので余り神経質になることもないのではないか。
MCIの進行を止める予防法として、国立長寿医療研究センターの島田裕之部は、日常生活で有効な記憶力改善方法として以下のような提案をしている。

・スーパーでの買い物で後戻りNG:どんな食材を買うか、どこに並べられているかの記憶をたどり、1度も後戻りをしないで買い物をする手順を考えて、その通りに実行する
・歩幅を5センチ広くして歩く:やや強い有酸素運動をすることで、脳の神経細胞の物質を多く作れる
・2日前の日記をつける:何も見ないで書く事で、認知症で衰えるエピソード記憶を鍛えることができる

要は、普段使っていない神経細胞を蘇らせるということだ。
脳梗塞発症者は、前科持ちということになるので、気をつけたい。

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