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2014年5月25日 (日)

牛丼御三家の戦略の差異/ブランド・企業論(26)

牛丼と回転寿司は、和食のファストフードとしてすっかり定着したようだ。
いずれも低価格で気軽に食べられるところが共通である。
牛丼業界には、御三家という存在がある。
吉野家(吉野家HD)、すき家(ゼンショーHD)、松屋(松屋フーズ)である。

3月まで、御三家の牛丼価格は280円で横並びであった。
デフレの時代とはいえ、280円というのは割安感がある。
そのためか、2015年度の決算は、各社ともに好調だった。
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日本経済新聞5月15日

各社の業績は下表のようだった。
Photo
同上

消費税増税に伴い、御三家の価格戦略に差が出た。
吉野家は20円値上げして300円とし、松屋も10円引き上げた。
しかし、最大手のすき家は、10円値下げした。

結果はどうだったか?
まだ4月分の速報値しか出ていないが、以下のように報じられている。

4月の実績を詳しく見ていくと、吉野家の既存店売上高(速報)は、前年同月比で3.3%の減少。客単価は上昇したが、既存店客数が同9.2%減ったことが響いた。昨年4月以降、同年9月を除いて既存店売上高で前年同月の実績を上回っていたものの、ここに来て業績拡大にブレーキがかかった形だ。
すき家は、既存店売上高が同1.4%減、既存店客数も同4.8%減った。松屋も既存店売上高が同0.2%減、既存店客数は同4.4%減となり、数字上は吉野家の下げ幅が大きく見える。
値付けで分かれた牛丼「御三家」、初陣の意外な勝者

今回の既存店の売り上げ実績からは、各社の値下げや割引キャンペーンの影響もあって、増税における価格改定の影響は読み解きにくいという。
ただし、値下げしたすき家が必ずしも好調でないことを考えると、牛丼の価格弾力性は大きくないと推測される。
とすれば、商品力が問われてくる。
その中核は、吉野家が先行した牛すき鍋膳などの「鍋」メニューである。

ただ、もともと豊富なメニューで差別化を図ってきたすき家では、鍋メニューの追加により思わぬ事態が起きている。
メニューが多いと当然、店員への負荷も高い。
そこに、手間がかかる牛すき鍋が加わったため、アルバイトの不満が爆発し、すき家を去るアルバイトが相次いで、約2000の店舗のうち、一時は123店が、閉店や営業時間の短縮に追い込まれた。
私自身は、現在は牛丼を食する機会はほとんどないが、牛丼戦争の行方は興味深い。

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