認知症の傾向と対策/ケアの諸問題(10)
気のせいか認知症に関するニュースが多いようだ。
⇒2014年3月23日 (日):認知症患者の増大と在宅ケア/ケアの諸問題(2)
⇒2014年4月21日 (月):行方不明の認知症高齢者/ケアの諸問題(5)
⇒2014年4月29日 (火):認認介護という現実/ケアの諸問題(6)
⇒2014年5月13日 (火):軽度認知症とその対策/ケアの諸問題(9)
認知症は、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいう。
先天的に脳の器質的障害があり、運動の障害や知能発達面での障害などが現れる状態は知的障害といい、先天的に認知の障害がある場合は認知障害という。
かつては痴呆と呼ばれていたが、2004年に厚生労働省の用語検討会によって「認知症」への言い換えを求める報告がまとめられた。
狭義には「知能が後天的に低下した状態」の事を指すが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知の障害や「人格変化」などを伴った症候群として定義される。
従来、非可逆的な疾患にのみ使用されていたが、近年、正常圧水頭症など治療により改善する疾患に対しても認知症の用語を用いることがある。
単に老化に伴って物覚えが悪くなるといった誰にでも起きる現象は含まない。
また統合失調症などによる判断力の低下も、認知症には含まれない。
頭部の外傷により知能が低下した場合などは高次脳機能障害と呼ばれる。
程度や発生順序の差はあれ、全ての認知症患者に普遍的に観察される症状を「中核症状」という。
脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状であり、記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などである。
患者によって出たり出なかったり、発現する種類に差が生じる症状を「周辺症状」あるいは「行動・心理症状:BPSD(Behavioral and Psychorogical Symptoms of Dementia)という。
認知症の症状が出てくると、周囲が気づく前から、本人は漠然と気がつく。
料理などの手順が悪く、時間がかかるうえに、うまくできなくなる。
できたものも、「これまでと味が違う」等といわれ自信を失い、客が来たら出前をとったり、日頃の食事も出来合いの惣菜ですますようになる。
認知症の症状-中核症状と行動・心理症状
家事全般がそういうことになり、片づけるつもりが散らかって収拾がつかなくなって、室内はごちゃごちゃになる。
意欲や気力が減退したように見えるので、うつ病と間違えらることも多い。
すべてが面倒で、以前はおもしろかったことでも、興味がわかないと感じる場合も多いようである。
密かに認知症に関する本で調べたりして、自ら認知症を疑って将来に望みをなくし、うつ状態になることもある。
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