日本国憲法の初心/花づな列島復興のためのメモ(324)
今日は憲法記念日である。
国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年7月20日法律第178号)では、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨としている。
1947年5月3日に日本国憲法が施行されたのを記念して制定された。
今年は、安倍政権が憲法改正に意欲的なこともあって、護憲か改憲かがリアリティのある問いになっている。
各政党のスタンスは以下の通りである。
憲法改正、2年後実現目指す=「環境権」創設に照準-自民
現時点で憲法改正を考える視点として、以下の2点が重要だと思われる。
1.制定時と現在の状況変化
2.憲法の初心とも言うべき理念・趣旨
現在の国際情勢はまことに微妙なものとなっている。
中国の海洋進出や新疆ウイグル地区の問題、ウクライナ・クリミヤをめぐる問題 etc.
こういう状況において、「持ってはいるが行使はできない」という中途半端な集団的自衛権を、(憲法解釈を変えてでも)行使できるようにすべきだ、という主張にも一理ある。
しかし、そのことが緊張を高めるという相互作用もある。
⇒2014年4月25日 (金):東アジア情勢と非超大国のアメリカ/世界史の動向(12)
憲法の初心を考えるとき、いつか講演で聞いたベアテ・シロタ・ゴードンさんのことを思い出す。
彼女は、ウィーン生まれでウクライナ系ユダヤ人(ロシア統治時代)の父母を持ち、少女時代に日本で育った。
1946年の日本国憲法制定に関わった人物として知られており、2012年に亡くなった。
来日したのは、世界的ピアニストだった父レオ・シロタ氏が東京音楽学校(現東京芸大)の教授に招かれたからである。
日本を離れた2年後、太平洋戦争が勃発し、両親は強制疎開先の軽井沢で、憲兵の厳しい監視下に置かれた。
親子は、お互い安否すら分からない音信不通の状態に陥った。
ベアテさんは大学卒業後、米タイム誌のリサーチャー(調査員)をしていたが、戦争が終わると、GHQの民間人要員に応募、採用された。
22歳で連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)民政局に所属し、GHQ憲法草案制定会議のメンバーとして日本国憲法第24条(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)草案を執筆した事実が1990年代になって知られ、著名となった。
私たちは当たり前のように男女同権と思っているが、憲法で規定されるには若い米婦人の力が大きかった。
大日本帝国憲法と比較すれっば、日本国憲法の目指したものがはっきりする。
第9条を含め、現実に憲法を合せるのか、現実を憲法の目指すものに合せるよう努力するか。
憲法は規範であり、理想論でいいと考える。
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