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2014年4月13日 (日)

利権としてのSTAP細胞/花づな列島復興のためのメモ(319)

STAP細胞(現象)について、何回か取り上げてきた。
それは、発表された内容の衝撃性と、その発表をめぐる騒動が中心であった。
⇒2014年1月30日 (木):新しい人工万能細胞/知的生産の方法(79)
⇒2014年4月 1日 (火):STAP論文の不正を理研が認定/知的生産の方法(84)
⇒2014年4月10日 (木):小保方氏の研究不正認定は冤罪か?/知的生産の方法(86)

しかし、連日のマスコミ報道によっても、肝心なことは未だ明らかになっていない。
組織としての理研が余りに性急に幕を引こうとしているように感じられること、共同著者らの肉声が聞こえてこないためではないだろうか?
ようやく小保方氏の指導者にあたる笹井芳樹氏が、来週中に会見を開く方針であるという。
笹井氏は、朝日新聞の取材に、「STAPはreal phenomenon(本物の現象)だと考えている」と、STAP現象は事実であると語ったという。

 STAP細胞論文の著者の笹井芳樹氏や小保方晴子氏らは、「STAP細胞はES(胚性幹〈はいせいかん〉)細胞が混入したものではないか」との疑念に強く反論している。
 ES細胞は、1981年に初めてマウスで作製された「万能細胞」の先駆け的存在。STAP細胞との共通点や違いを確かめる比較実験にも使われた。STAP細胞とつくり方が異なるが、見た目は電子顕微鏡で詳しく観察してもそっくりという。こうしたことが「混入説」の背景にある。
 だが、笹井氏らによると、種類の異なる万能細胞を一緒に培養しても、たんぱく質の性質が違うため均質に混ざらないという。小保方氏は9日の会見で、ES細胞は同じ研究室になかったと主張。論文の共著者でES細胞研究の第一人者の丹羽仁史氏は、マウスの実験でES細胞からはできないはずの組織ができたことを顕微鏡で見て確かめたと7日の会見で説明したhttp://www.asahi.com/articles/ASG4B5HCYG4BPLBJ003.html

これについては、理研のサイトでも、STAP細胞は、ES細胞やiPS細胞がなれなかった胎盤細胞にも分化していることが確認された、と説明がある。
⇒2014年4月 3日 (木):STAP細胞論文の検証/知的生産の方法(85)
胎盤細胞発光をどう理解するか?

共著者らの行動が制約されているのは、巨大利権が背後にあるからであろう。
中部大学教授の武田邦彦氏は、自身のブログに、STAP事件簿と題する記事を何回か掲載している。
STAP事件簿02 2013年暮れ』では、以下のような記述がある。

2013年の5月の連休もあけて、理研は第二段階に入った。
・・・・・・
とにかく「お金になる特許」と考えられるので、関係先との調整も含めて慎重に進められてきた。理研としても国庫の研究費を獲得したり、理研100年の計にも影響があるこの特許に強い関心を持っていた。
・・・・・・
現場では、まず小保方さんが毎日のようにネイチャーからくる「査読結果」に追われていた。論文を出すと数か月で最初の審査の結果が来て、普通は2か月以内ぐらいに返事を出す。
査読は、研究の筋から、文章、さらには語句の修正まで多くの指摘があり、写真などの追加、修正、説明などを求められる。
・・・・・・
そこで小保方さんは上司とも相談しながら、査読に対応していた。その間、10名ほどの実験部隊は追加データを取ったり、新しい実験に取り組んだりしていただろう。

どこまで事実を反映しているか疑問であるが、一般論として言えば当たらずとも遠からず、といった様子ではなかったか。
特許は公開するまで内容を秘密にしておかなければならないが、論文は掲載されれば直ちに詳細が分かる。
だから「論文掲載の決定」は、理研の機関決定がなされているはずであり、とすれば疑惑発覚後の理研の対応には疑問がつく。
⇒2014年3月16日 (日):STAP細胞ー成果主義と広報戦略/花づな列島復興のためのメモ(316)

私は、今までSTAPの生み出す金の問題については触れてこなかった。
武田氏のいう「お金になる特許」は、STAP細胞の研究が再生医療に関連することからすれば当然である。
私のような脳血管障害への応用はまだまだ先であろうが、iPS細胞では脳への応用研究が始まっている。
⇒2013年8月31日 (土):iPS細胞から脳を作製/闘病記・中間報告(60)

再生医療への応用は大きな利権と繋がる。
そこで、「金になる特許=利権」という補助線を引いて考えてみよう。
先ず目に入ったのが、植草一秀氏のブログである。
2014年3月16日 (日)掲載に、『STAP細胞論文共著者と株式市場を結ぶ点と線』がある。
以下要約するが、詳しくは原文にあたって欲しい。

安倍政権は、米国は対米追従路線であり、米国は日本の米国化を実現する絶好期であると捉え、安倍政権が掲げる「成長戦略」を何としても実現させようとしている。
安倍政権は6月にも「新・成長戦略」を打ち出すスケジュールを設定しているが、そのなかに、技術立国を打ち出し科学技術振興を提示する予定である。
票とカネに結び付きにくい社会保障支出を切り、票とカネに直結する利権支出に財政資金を集中投下するのだが、そのターゲットが再生医療分野である。
安倍首相は1月11日に理化学研究所・発生・再生科学総合研究センター(CDB)を訪問している。
もうひとつの重大問題は、2011年に小保方氏が執筆した「Nature Protocol 論文」と呼ばれる論文の共著者に、今回のSTAP細胞論文の共著者である大和雅之氏と同じく東京女子医大の岡野光夫教授が名を連ねていることである。
この論文が記述する”cell sheets”は上場企業である株式会社セルシード社の製品であり、著者の岡野光夫氏はこの企業の取締役であり大株主である。
この企業の株価がSTAP細胞作製報道のあった直後の1月30~31日にかけて急騰し、1月31日に第11回新株予約権(行使価額修正条項付)が大量行使・行使完了された。
1月31日に2400円をつけた株価は、3月14日には1183円に下落している。

何ともきな臭い話であるが、そういうこともあるのかと思う。
また、「ねずさんの ひとりごと」というブログでは、緊急投稿として4月10日に、『国は小保方晴子さんを護れ!』 と書いている。
要旨は以下のようであるが、これについても詳しくは原文にあたって欲しい。

いちばん肝心なことは、STAP細胞についての世界特許を持った人もしくは団体は、将来にいたるまで、数百兆円規模の巨額の利権を手に入れることができることだ。
論文に、小保方さんがSTAP細胞を作るための手段方法の全部を載せれば、あっという間に真似されて、権利も利権も全部盗られてしまうから、記載しないのは当然だ。
理研は、難癖をつけて小保方さんを利権から放逐し、その実験結果と実験ノートを手に入れることができれば、STAP細胞に関する将来の利権をすべててにすることができる。
理研には2冊のノートの提出しかないという報道があったが、逆に小保方さんが全てのノートを提出していたら、小保方さんは身を守る術はまったくなくなる。
STAP細胞利権を横取りしようとするのは理研だけでなく、世界中の人たちが狙っている。
小保方さんを、国家の力によって完全に保護し、実験をささえるべきだ。
たとえ毛筋一本でも、そのSTAP細胞に可能性があるのなら、そのためにどれだけの経費をつぎ込んでも、惜しくはない。
逆にやってはいけないことは、今の段階で、その研究者をつぶしてしまうこと。
そしてもし、日本がこの問題でSTAP細胞の開発研究を滞らせば、日本は巨額の国益を損ねる結果となる。

思考のプロセスは異なるが、「研究の可能性を大事にし、芽を摘んではいけない」という趣旨には賛成である。
また、陰謀論じみた見方もある。
アメリカにSTAP利権をあげた理研』という記事では、以下のように書かれている。

何故ブラックマスコミが小保方潰しに出たのか。
それはブラマスの親玉偽ユダヤの指令が出たからだ。
万能細胞は医・薬産業を根底から変えてしまう可能性があるのだろう。
それは保険金融産業にも壊滅的打撃を与える可能性があるだろう。
既に小保方の上司の研究者がSTAP細胞は本物と言っている。
そもそもSTAPが本物でなければ、あんな成功会見などやる訳が無い。そして、反論会見などやれるものではない。
ブラックな連中は天才一人に追い込まれた。

余りにも荒唐無稽のようだが、魑魅魍魎の活動する世界のことは、素人が詮索しても仕方がない。

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