STAP論文の不正を理研が認定/知的生産の方法(84)
まさかという思いであるが、理研の調査委がSTAP細胞のネイチャー掲載論文に不正があったと認定した。
果たして、生物学のパラダイムを書き換えるとまで期待された新たな発見は、幻だったのだろうか?
静岡新聞4月1日夕刊
私は、不注意やマナー違反(すなわち過失)はあったかも知れないが、不正(すなわち故意)があったとまでは考えていなかった。
⇒2014年1月30日 (木):新しい人工万能細胞/知的生産の方法(79)
であるから、科学技術立国の好例になると考えた。
⇒2014年2月 1日 (土):官製成長戦略でイノベーションは起きるか/アベノミクスの危うさ(26)
そして、過失があったとすれば、環境にも問題があるのではないかと考えた。
⇒2014年3月16日 (日):STAP細胞ー成果主義と広報戦略/花づな列島復興のためのメモ(316)
そして、加熱する報道には違和感を覚えた。
⇒2014年3月13日 (木):STAP細胞に関する過熱報道/花づな列島復興のためのメモ(315)
さらに、過失は、しばしば技術進歩がもたらす利便性と対になっているのではないかと思った。
⇒2014年3月17日 (月):コピー&ペーストの功罪/知的生産の方法(82)
しかし、もし故意だとすれば話は変わってくる。
理研の調査委の結論の趣旨は以下のようである。
http://mainichi.jp/select/news/20140401k0000e040205000c.html
「改ざん」や「捏造」というのは強い言葉である。
しかし、小保方さんは理研に対して異議を申し立てるようである。
研究不正と認定された2点については、理化学研究所の規程で「研究不正」の対象外となる「悪意のない間違い」であるにもかかわらず、改ざん、ねつ造と決めつけられたことは、とても承服できません。近日中に、理化学研究所に不服申立をします。
このままでは、あたかもSTAP細胞の発見自体がねつ造であると誤解されかねず、到底容認できません。(1−2) レーン3の挿入について
Figure1i から得られる結果は、元データをそのまま掲載した場合に得られる結果と何も変わりません。そもそも、改ざんをするメリットは何もなく、改ざんの意図を持って、Figure1i を作成する必要は全くありませんでした。見やすい写真を示したいという考えから Figure1i を掲載したにすぎません。
(1−5) 画像取り違えについて
私は、論文1に掲載した画像が、酸処理による実験で得られた真正な画像であると認識して掲載したもので,単純なミスであり、不正の目的も悪意もありませんでした。
真正な画像データが存在していることは中間報告書でも認められています。したがって、画像データをねつ造する必要はありません。
そもそも、この画像取り違えについては、外部から一切指摘のない時点で、私が自ら点検する中でミスを発見し、ネイチャーと調査委員会に報告したものです。
なお、上記2点を含め、論文中の不適切な記載と画像については、すでにすべて訂正を行い、平成26年3月9日、執筆者全員から、ネイチャーに対して訂正論文を提出しています。
http://mainichi.jp/feature/news/20140401mog00m040002000c.html
最終的な決着はついていないとみるべきであろうか?
結局は再現性がどうしても得られなかったとしたら、研究成果は非とせざるを得ないであろう。
しかし、誰か1人でも再現性を示せれば、それで「Q.E.D.=証明終わり」ということではなかろうか。
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