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2014年4月24日 (木)

日ハム大谷選手の二刀流のへの期待/花づな列島復興のためのメモ(322)

日本ハムファイターズの大谷翔平選手が、23日のソフトバンク戦に「3番・指名打者」で先発出場して、初回二死の第1打席で寺原から今季1号の先制ソロ本塁打を放った。
大谷選手は、花巻東高の出身。3年の春のセンバツでは初戦の大阪桐蔭高校戦で藤浪晋太郎投手(現阪神)から本塁打を放ったが、自ら崩れて敗退した。
夏に期待がかけられたが、岩手大会では決勝の盛岡大附高校戦で敗れて甲子園出場はならなかった。

プロ野球デビューの昨シーズン、プロ野球では非常に珍しい投手と打者の『二刀流』を実行した。
投手としては、3勝0敗、防御率4.23、打者としては、204打席で打率0.238、本塁打3本だった。
今季は投手として既に2勝を挙げている。
数字もそうであるが、投手として出場した試合(5試合)、打者として本塁打を打った試合のすべて(4試合)が勝利に結びついており、不敗神話を作りつつある。

二刀流は、玄人筋には反対意見が多いようであるが、私のような一介のファンにとっては新しい楽しみである。
今季のセ、パ両リーグの交流戦における特別企画として指名打者(DH)制を普段のリーグ戦とは入れ替え、セの主催試合で採用し、パの主催試合では採用しない方向だという。
そうなれば、大谷投手が本拠地の札幌ドームで投手として打席に立つ姿が見られることになる。
ファンサービスということだろう。

 
もちろん、二刀流は心身ともに負担が大きい。
反対意見に次のようなものがある。

 栗山監督もできれば投手陣の柱として起用したいと考えているものの、大谷本人の体に問題があった。昨秋から登板後に背中の筋肉が張る傾向があり、それが中6日では回復しなかったのだ。
 だからこそ前回は中8日、今回は中7日での登板だった。中6日のローテに入れたくても入れられなかった。代わりに登板と登板の間に野手として起用してきた。結果として去年同様、中途半端な「二刀流」だった。
 だが、原因が大谷の肉体面にあるとハッキリした以上、一日も早く背中の張りを取り除くために時間を使うべきではないか。登板の疲労を取り除くなり、張りが出ないような体をつくるトレーニングを課すなり、投球間にやることはいくらでもある。「先発の軸」にすることが何よりの優先事項なのだから、少なくとも中6日で回れるようになるまでは野手としての出番を制限すべきだ。
 大谷は現在、野手として12試合に出場し.385。これは10試合以上出場したチームの野手の中で最高打率。得点圏打率(.429)、出塁率(.405)もチームトップだ。
 結果を出すことは分かっちゃいるが、「二刀流」はローテに定着、余裕が出てきてからでも遅くはない。
2勝目挙げた日ハム大谷 体調戻るまで「投手専念」のススメ

しかし、「12試合に出場し.385。これは10試合以上出場したチームの野手の中で最高打率。得点圏打率(.429)、出塁率(.405)もチームトップ」ということは、二刀流の実行が、現時点ではチームにとってベストということでもある。
問題は、現時点で(あるいは短期的)考えるか、長期的に(選手としてのライフサイクル)考えるかの違いだろうか。
囲碁でいう「実利」か「厚み」かということにも似ている。

アマチュアは実利に走りがちであって、そうすると強くはなれないと言われる。
将棋の故米長邦雄氏は、『碁敵が泣いて口惜しがる本―“将棋の天才”が発見した囲碁必勝の秘訣』祥伝社ノン・ポシエット文庫(1997年4月)で、現金と株券の違いにたとえて説明している。
私にも、投資の発想は分からなくもない。
しかし、常識を破る楽しみというものもある。
もし、大谷選手が現在のペースでシーズンを終えれば、大変な記録となる。
そして、記録を塗り替えるのは、若者の特権である。

フィギュアスケートの羽生結弦選手、スキージャンプの高梨沙羅選手、水泳の荻野公介選手等が未踏の世界を切り拓きつつある。
大谷選手には、もちろん課題もある。
今季2勝目の後である。

 右腕が唇をかむのが4-0で迎えた7回。連打と四球などで背負った1死満塁のピンチで、捕逸と失策で2点を失いお役ご免となった。
 悔しがった右腕を楽天関係者はどう見ていたのか。「6回にジョーンズを三振に切ったのが大谷本来の直球。でもあそこで力を使い果たした。7回は別人。高く浮いて空振りがほとんど取れなくなっていた。今後も体力的に100球が目安だろう」と指摘する。
 だが投球からは“100球のカベ”を乗り越えようという意識が見られたという。「中盤までは第1ストライクを意識していた。多少キレが落ちるのでウチも早めに仕掛けていた。確かに早打ちは攻撃側にリスクが高い。もう少し質の高い球を投げてくると100球で完投、完封もある。恐ろしい2年目だよ」と青ざめた。
 投手がスタミナ不足を補うには、走り込みなどの練習があるが、時間が限られるシーズン中には難しい。考えられる選択肢は「田中(現ヤンキース)のように早いカウントで打たせる術を身に付けること。それには打者の狙い球を見抜いて外していくことが必要だが、大谷は打者の心理も自分でつかめる。これは大きな利点だ」(同)。
 打席で意識している打者としての狙いを投球に反映することができれば、飛躍的に伸びるとみている。
 “2人の大谷”は助け合って2本の刀を鍛え上げることができるか。 
日本ハム・大谷、二刀流を阻む100球のカベ 乗り越えるカギは

是非この課題をクリヤーして欲しい、と思うが如何なものであろうか。

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