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2014年4月26日 (土)

理研の失態と科学への信頼/知的生産の方法(92)

STAP現象(細胞)をめぐる問題に、意外な番外劇が報道されている。
理研調査委の調査委委員長を務める石井俊輔・理研上席研究員らの論文に、疑義が指摘されているというのだ。

 新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で理化学研究所の調査委員長を務める石井俊輔・理研上席研究員らが執筆した論文に対し、インターネット上で疑義が指摘されていることが24日、分かった。石井氏は同日、産経新聞の取材に対し委員長を辞任する意向を明らかにした。
 この論文は乳がんを抑制するタンパク質に関するもので、平成20年に理研などのチームが英学術誌に発表。石井氏が責任著者の一人になっている。遺伝子を調べる実験結果の画像の一部を入れ替えた改竄(かいざん)ではないかとの指摘が出ていた。
 石井氏は取材に対し「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」と否定。その上で「疑義を指摘された以上、その部分を突かれると理研や委員会に迷惑をかける。調査委員長がこのような隙を作ってはいけない。不本意だが本日、理研に委員長の職を辞したい旨を伝えた。慰留されても意志は固い」と述べた。石井氏によると学術誌側も不正でないことは認め、訂正を承諾しているという。
 理研は2月中旬に調査委を設置。委員長の石井氏は分子遺伝学が専門で、16年に発覚した理研の研究者による血小板に関する論文不正の調査委でも委員を務め、改竄などを認定した。
 STAP論文をめぐっては、調査委から不正を認定された小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)が不服を申し立て、再調査の実施と不正認定の撤回を求めている。責任者である石井委員長が自身の疑義で辞任の意向を固める異例の事態となり、一連の問題はさらに波紋を広げそうだ。
STAP問題、理研調査委員長、辞任へ 自身の論文データに疑義

詳細な事情は分からないが、上記記事を見る限りでは、小保方氏に向けられている疑惑と何が違うのか、という気がする。
「実験結果の画像の一部を入れ替えた」ことを改竄と認定したのが調査委ではなかったか?
⇒2014年4月 1日 (火):STAP論文の不正を理研が認定/知的生産の方法(84)

これに対して、小保方氏が、画像の取り違えは過失であることは認めるが、不正(捏造)であるとの認定は誤認であると不服申し立てをした。
⇒2014年4月10日 (木):小保方氏の研究不正認定は冤罪か?/知的生産の方法(86)

私は、科学的主張の真偽の問題と、研究不正の認定の問題は分けて考えるべきだと考える。
そして、科学的主張の真偽の問題に関しては、小保方氏に挙証責任があるだろうが、研究不正を認定すること、言い換えれば懲戒処分をするということになると、懲戒する側に挙証責任が生ずると考える。
そして、調査委の結論は拙速ではないかと感じた。
⇒2014年4月 1日 (火):STAP論文の不正を理研が認定/知的生産の方法(84)

小保方氏の主張は、あくまで理研の調査委の結論に対してである。
⇒2014年4月23日 (水):STAP問題の個人的な中間おさらい/知的生産の方法(91)
それが、調査委委員長が同じような問題を指摘されては、話にならない。
委員長辞職は当然であろうが、それだけで済む問題か?
理研トップの野依良治理事長の責任問題も浮上してこよう。

日本の至宝ともいうべき科学者が、このようなことで責任を問われるのは忍びない。
同時に、科学に対する信頼性を損なうことになってはならないだろう。

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