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2014年4月27日 (日)

電王戦の結果と2045年問題/知的生産の方法(93)

2045年問題が、一般的な話題になってきたようである。
4月21日の東京新聞に、解説記事が載っていた。
20453140421

2045年問題とは何か?
端的に言えば、「人工知能の能力が人類の能力を超える時点」のことである。
良く知られているように、集積回路の性能を示す「ムーアの法則」と呼ばれるものがある。

世界最大の半導体メーカーIntel社の創設者の一人であるGordon Moore博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則。
ムーアの法則Moore’s law

ムーアの法則と実際の下図の通りである。
2
 ムーアの法則-Wikipedia

この傾向が継続すれば、人工知能が人間の知能を凌駕する時がやってくるに違いない。
そして、2045年に人工知能は人間の能力を超える。

人工知能の賢さを測る尺度はさまざまある。例えば計算能力でいうと、いまある普通のコンピュータでもはるかに人間の能力を超えている。それをふまえて、現段階の人工知能の賢さをどのようにイメージできるだろうか。
「頂上が人間の知能だとすると、いまは3合目の手前というところです。人間の知能をつくり出すということが以前思っていたよりも相当難しいということがわかってきた段階です。ここまでくるのに約60年。しかし初期のころはどちらが頂上かもわかっていなかった、つまり何をすれば鉄腕アトムができるのかもわからなかったのです。方向性が見えてきたということで、今後はこれまでの60年とはぜんぜん違います」
では現時点でどれくらいの速度で進化していると捉えているのだろうか?
「何をもって知能の量を数えるかという問題がありますが、私の感覚では3年で5倍というところで しょうか」
3年で5倍というのは驚くべき数字だ。9年で125倍(5×5×5)になる。
「10年で100倍というイメージは確かです。このフェイズに入ったのは多分2010年ごろからで、そ こまではじわじわとゆっくり進歩していました」
2045年に人工知能は人類の知能を超えられるのか?──迫りくる特異点問題

分かりやすい人工知能に、将棋ソフトがある。
将棋ソフトはどれくらい強いのか?

プロ棋士と将棋ソフトが対戦する電王戦が注目を集めている。
第2回の昨年は、将棋ソフト側の3勝1敗1分けで、プロ棋士を圧倒した。
⇒2013年5月 5日 (日):将棋ソフトの進歩と解説ソフトの可能性/知的生産の方法(52)

その中で、負けられないという気持ちで不本意な手で引き分けに持ち込んだ塚田泰明九段の手記が話題となった。
⇒2013年6月 3日 (月):電王戦の記者会見における塚田九段の涙/知的生産の方法(57)

今年はどうだったか?

 2014年4月12日、将棋のプロ棋士5人と5つのコンピュータ将棋ソフトが対決する団体戦『第3回 将棋電王戦』が閉幕した。最終結果はプロ棋士側の1勝4敗で、昨年の『第2回』と合わせると2勝7敗1引き分け(持将棋)と大きく負け越し。現在のコンピュータの実力は、プロ棋士の平均どころか、間違いなくトップクラスと言ってよいものであることは明らかだ。
第3回将棋電王戦全5局を総括。「1勝4敗」の意味するものとは?

人工知能学者・松原仁さんの研究チームは、将棋ソフトの開発で有名である。
その松原さんのチームが、将棋界の頂点・羽生善治氏との勝負に挑もうとしている。

「数年以内にコンピュータが羽生さんに勝つことは間違いありません。これはけっこうなインパクトを世間に与えるはずで、われわれの間では"羽生問題"と密かに呼んでいます。日本人にとって羽生さんというのは、ある種の象徴でもあるわけです。コンピュータがその羽生さんに将棋で勝利したとなると、日本人のコンピュータに対する見方ががらりと変わる可能性があります」
松原さんのチームはさらに、人工知能に8000字程度のショートショートを創作させるプロジェクトに取り組んでいる。そのためにショートショートの名手・星新一の膨大な作品群データを解析中だ。
2045年に人工知能は人類の知能を超えられるのか?──迫りくる特異点問題

また別の例では、東大入試がある。
国立情報学研究所の新井紀子教授が中心となって進めているプロジェクトに、「ロボットは東大に入れるか(Todai Robot Project)」がある。
現在は、代ゼミのセンター模試は平均点以下であるが、私立大学の学部のほぼ半数で、合格可能性80%以上のA判定を獲得する程度だという。
2021年度には東大入試を突破することが目標である。
⇒2014年1月19日 (日):ロボットが東大に入る日/知的生産の方法(78)

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