柏通り魔容疑者の自己顕示の心理/人間の理解(1)
柏市の路上で男性2人が殺傷されるなどした連続通り魔事件の容疑者が逮捕された。
一連の事件は3日午後11時45分ごろまでの約10分間に、同じ市道の約50メートルの範囲で起きたものだ。
強盗殺人容疑で逮捕されたのは、現場近くに住む自称無職、竹井聖寿(せいじゅ)容疑者(24)である。
捜査本部は同日朝から任意聴取した上で竹井容疑者を立ち会わせて自宅を家宅捜索した。捜査関係者によると、室内から血のついた凶器を含むとみられる複数の刃物が見つかった。
逮捕容疑は3日午後11時37分ごろ、会社員の池間博也(いけまひろや)さん(31)の首などを複数回刺すなどして現金1万数千円などが入った手提げバッグを盗み、死亡させたとしている。
竹井容疑者は、刺殺された池間さんと同じマンションの別フロアに住んでいた。竹井容疑者は4日夜、毎日新聞の取材に対し、自室の廊下から事件の一部始終を目撃したと言い、「(犯人が)倒れた男性の背中を何度も刺し続けた」などと説明していた。捜査本部は竹井容疑者と池間さんとの面識については、「把握していない」としている。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140306ddm001040179000c.html
市道の両脇には住宅が立ち並び、街灯が多く夜間でも比較的明るい場所である。
JR柏駅に近く、いつもは夜でも通行人は少なくない。
ひと頃、東大の柏キャンパスに用事があって、JRで行ったことも何回かあるのでなんとなくなじみのある場所である。
不可解なのは、竹井容疑者がメディアの取材に積極的に対応しているような様子であることだ。
竹井容疑者は4日夜、事件現場からわずか約20メートルの場所にある自宅マンション前で、毎日新聞などの取材に約40分間、事件の一部始終を目撃したなどと説明していた。「犯人は笑いながら、何度も背中を刺した。その様子をスマートフォンで動画撮影した」とも話していた。
竹井容疑者は午後8時半ごろから集まっていた記者に対し、3日深夜に大声を聞き4階の自室のドアを開けて廊下に出たところ、事件を目撃したと説明。「暗闇の中で光ったので刃物だと分かった」などと述べ、刃体の長さについても両手を広げて「これぐらい、30〜40センチはあった。牛刀のようだったが、柄の部分は見えなかった」などと語っていた。
容疑者の特徴を「身長は約175センチで黒色ジャンパー姿。太ってもやせてもいない」と話し、1階に住んでいた池間さんについては「面識はない。同じマンションの住人が刺されるなんて分からなかった」としていた。
さらに、犯行開始時から車を奪って逃走するまでの様子を動画で撮影したと説明。「動画は警察に渡したがSDカードにコピーを保存している」と話したため、記者が確認を求めると「警察に止められているから」と拒んだ。その上で「僕も早く(容疑者が)捕まってほしいと思っている。警察が明日公開するはず」と語っていた。
竹井容疑者は首のあたりまで伸びた髪を茶色に染め、黒っぽい上着姿。「ハッハッハと奇声を発し、笑いながら刺した」と異常性を強調し、「見境無く襲いかかるのは怖い」などと話した。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140306ddm001040179000c.html
これはどういう心理であろうか?
陽動作戦のつもりなのか?
だとすれば、余りにリスク感覚が欠如している。
あるいは、現実と幻覚の区別がつかないというようなことなのか?
それにしては、応答に不自然さはないような感じである。
先日も、三重県四日市市で起きた中3女子生徒強盗殺人事件で高3男子生徒が逮捕されるという報道があった。
三重県朝日町で昨年8月、同県四日市市の中学3年、寺輪博美さん=当時(15)=が殺害された事件で、強盗殺人容疑などで今月2日に逮捕された県立高校3年の男子生徒(18)が事件後、ツイッターに「めっちゃやばいやん」「地元で女子中学生の死体が見つかったって…手の震え止まらん」などの内容を書き込んでいたことが、捜査関係者などへの取材で分かった。
男子生徒は調べに「私が犯人です」と容疑を認めているといい、四日市北署捜査本部は書き込みをした動機や背景を詳しく調べる。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140303/waf14030310080007-n1.htm
逮捕された少年は、女子生徒の遺体が発見された昨年8月29日午後、約2時間の間に自分の「ツイッター」で16回もツイートしていた。
しかし、翌日には1回だけで、その後は約1カ月の間、発信していなかった。
専門家は、「焦りや不安をかき消すためでは」と指摘している。
まあ、不安に駆られるのは分かる。
しかし、自分の投稿サイトを利用するのがよく分からない。
自分は無関係ということをアピールしたいという心理があったのか?
柏の事件は、秋葉原通り魔事件を思い出させる。
しかし、過去の通り魔事件では、犯人が金銭を要求するケースは珍しいが、竹井容疑者は、池間博也さんを刃物で刺殺した直後に、車で通りかかった男性に刃物を突きつけ3,500円入りの財布を奪うなど、一連の4件の犯行で3人が金銭や車を要求された。
秋葉原の無差別殺傷事件では、ネットの掲示板で、だれにも相手にされなくなって「孤立感を深めたこと」などが犯行動機だったとされる。
⇒2008年6月11日 (水):秋葉原通り魔と心の闇
大阪教育大付属池田小で児童殺傷事件を起こした男は、「捕まって死刑にしてほしかった」と事件の動機を語っている。
柏の事件は、これらの通り魔事件とは異質のようでもある。
何が動機だったのか?
「心の闇」といわれる部分は、まだまだブラックボックスのようである。
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