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2014年3月10日 (月)

消費税増税で景気はどうなるか?/アベノミクスの危うさ(29)

消費税率の改変まで秒読みになってきた。
1997年度以来だから、17年ぶりである。
今回の消費増税は、景気にどう影響するであろうか?

前回は、村山内閣で内定し、橋本内閣が実施した。
「福祉を充実させる」という名目であった。
今回は、 野田第2次改造内閣で、消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案が成立し、第2次安倍内閣が、4月からの引き上げを閣議決定した。
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http://richardkoshimizu.at.webry.info/201309/article_104.html

上記サイトでは、「消費増税→消費沈滞→商品が売れなくなる→企業収益悪化・従業員の給与低下→法人税、所得税の税収減少・若年層の失業増加・社会不安→戦争」と解説している。
しかし、「日経ビジネス2014年3月5日(水)」で、永濱利廣氏は、『1997年の二の舞は避けられる-消費増税でも景気が腰折れしない理由』と書いている。

永濱氏は、次のようにいう。   
今回の消費増税の負担額を試算すると、消費増税そのものは相当景気へのダメージが大きいと判断される。
今回の消費税率3%引き上げは、それだけで8兆円以上の負担増になり、家計にも相当大きな負担がのしかかる。
これを単純に世帯数で割れば、1世帯平均15万円弱の負担増になる。
しかし、総務省「家計調査」を用いて、具体的に4人家族(有業者1人)の平均的家計への負担額を試算すれば、年間約9.0万円の負担増となる。
現実的には、企業が消費税率の8兆円の負担分のうち3兆円程度は価格転嫁できないと想定される。

また、内閣府のマクロ計量モデルの乗数をもとに経済成長率への影響を試算すれば、2013年度は駆け込み需要により0.5%ポイント経済成長率を押し上げるが、2014年度については1.0%ポイントも経済成長率を押し下げると試算される。
従って、外部環境にもよるが、無防備で消費税率を引き上げれば景気腰折れの可能性が相当高まっていただろう。
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消費増税の経済成長率への影響

しかし、消費税率引き上げに伴い、97年度のように日本の景気が後退局面に入る可能性は高くないだろうという。
今回は真水で5.5兆円の景気対策と0.6兆円の追加減税が打ち出されている。
内閣府のマクロ計量モデルの乗数をもとに今回の経済対策と減税が経済成長率に及ぼす影響を試算すると、消費税率引き上げに伴う経済成長率押し下げを0.3%ポイントにとどめることができると試算される。
経済対策が、0.7%ポイント経済成長率を押し上げると想定されるためである。
97年当時と比べて買いだめがしにくいサービス消費の割合が高まっていることからも、駆け込み需要の反動減の規模が97年ほど大きくならない可能性が大きいと考えられる。

また、97年の消費税率引き上げ後に景気が腰折れした背景には、アジア通貨危機や国内における金融システム危機が発生したことがある。
アジア通貨危機は、タイ、インドネシア、韓国等の経済に大きな打撃を与え、これらの国はIMF管理に入った。
私にも苦い思い出がある。
提携していた韓国企業が、IMF体制の影響を受け、アメリカ企業傘下に入ることを余儀なくされ、大きな損失を受けたのである。

今回は、そういう環境ではない。
しかし、決して楽観はできないのではないか。

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