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2014年3月27日 (木)

恐竜の絶滅に関する新仮説/進化・発達の謎(1)

生物進化の様子は化石によって調べる。
その年代区分は、たとえば以下のように示される。
Photo
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/chishitsunendai-01.htm

約6,600万年前の白亜紀と新生代は、進化史の大きな画期である。
白亜末期に、中生代三畳紀に現れ、中生代を通じて繁栄した恐竜など生物が大量絶滅した。
当時生存していた生物種の約7割が絶滅したという。
はたして、地球に何が起きたのだろうか?
子供のみならず、大人にとっても興味深いテーマである。

生物の大量絶滅については、これまで様々な仮説が提唱されてきた。
メキシコ・ユカタン半島に約6550万年前に直径10キロの隕石が衝突し、環境が変動して地球上の全生物種の半分以上が絶滅したとされている。
隕石衝突で放出されたちりが日射を遮り寒冷化が起きたとする説など、さまざまな説が提唱されているが、どれも海の生物の絶滅をうまく説明できなかった。

千葉工業大学・惑星探査研究センターの大野宗祐上席研究員らで作る研究グループが、3月9日付の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)に、新しい説を発表した。
巨大隕石の衝突で発生した酸性雨による海洋の酸性化が原因となった可能性が高いという説である。

千葉工業大学のチームは、隕石の衝突直後の様子を再現した実験で突き止めたという。
三酸化硫黄と呼ばれる物質が大量に放出されていたことが分かり、これにより海が酸性化し、プランクトンなど生物の多くが生存できなくなった。
三酸化硫黄は強い酸性雨を引き起こす物質で、衝突後、数日のうちには地球全体に降りそそぎ、それが恐竜の絶滅につながった可能性が高いと研究グループはみている。
大野上席研究員は「隕石の衝突による酸性雨と恐竜などの大量絶滅のメカニズムを知ることは、現在の生態系がどのように作られたかを理解するうえでも重要だ」と話している。

私は以前、恐竜の絶滅に関する説の紹介をしたことがある。
⇒⇒2010年7月 6日 (火):恐竜はなぜ絶滅したのか?/因果関係論(6)
産経新聞の2010年7月5日付の「宇宙-その過去から未来を解き明かす」という記事の紹介である。
要約すれば、以下のようなものであった。

世界の学際的な研究者41人の研究チームが、米科学誌「Science」の2010年3月5日号に、小惑星の衝突による環境変動が原因と結論づけたことが発表された。
1980年に、ノーベル物理学者のルイス・アルバレズ博士らにより提唱され、1991年に、メキシコのユカタン半島で直径約180キロの白亜紀末に形成された大クレーター(チュチュルブ・クレーター)が発見されて、賛同者が増えていたものだ。
直径10~15キロの巨大隕石が、秒速20~30キロで、浅い海の下にあったユカタン半島に衝突し、クレーターを生成した。
そのエネルギーは、冷戦時代に米ソが保有していた核爆弾を、全部同時に爆発させたものの1万~10万倍と計算されている。

この説ですべてが説明されているわけではないのは当然であった。
千葉工業大学のグループは、海の酸性化という媒介項を取り入れることによって、より進んだ説明を行った。
しかし、まだ、これですべて終了というわけではないだろう。

私たちは、恐竜という言葉で、かつて栄えたといわれる「巨大爬虫類」のことを代表させている。
爬虫類の進化系統樹は下図のように示される。
3
http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130709_1/

注目すべきは、言語の起源との関係で最近注目を集めている鳥類と恐竜が同類であることである。
隕石が衝突しなければ、言葉をもった恐竜が出現していた?

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コメント

失礼しますが、あなたが提示している爬虫類の系統図(理化学研究所のもの)間違ってますよ?クビナガリュウが亀に近いことになっていますよ。どこをググっても蛇、トカゲに近い動物のはずですが?

投稿: | 2014年9月28日 (日) 01時35分

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