西予地震と上関原発/原発事故の真相(109)
今朝の午前2時過ぎ、四国や中国、九州にかけて強い地震があった。
愛媛県西予市で震度5強、高知や広島、山口、大分の各県でも5弱を記録した。
大阪管区気象台によると、震源は瀬戸内海西部の伊予灘で、震源の深さは約78kmとのことである。
この地域の地震と言えば、南海トラフ地震が頭に浮かぶ。
南海トラフとは、四国の南の海底にある水深4,000m級の深い溝(トラフ)である。
南海トラフ北端部の駿河湾内に位置する部分が駿河トラフである。
非常に活発で大規模な地震発生帯であり、巨大地震の発生が心配されている。
http://shachoublog.net/nyu-su/torahu-kakuritu.html
昨年、政府の地震調査委員会は、南海トラフで想定されるマグニチュード8~9の巨大地震が、今後30年以内に発生する確率は60%~70%と発表した。
切迫性はかなり高いといえよう。
今回の地震について、気象庁は、国が想定するM9級の南海トラフ巨大地震との関連性は薄いとの見解を示した。
気象庁によると、今回の地震は、日本列島側のプレート(岩板)の下に沈み込むフィリピン海プレート内の深部で発生した。
一方、南海トラフ巨大地震は両プレート境界で起き、その震源はより浅い20~30kmと想定されている。
今回の地震とは震源の深さや、地震を発生させる力のかかり方が異なるという。
四国電力は、愛媛県伊方町の伊方原発に異常はなかったと発表した。
しかし、この地域には、建設計画中の原子力発電所がある。
上関原子力発電所である。
中国電力が、瀬戸内海に面する山口県熊毛郡上関町大字長島に建設を計画している。
長島西端の田ノ浦の山林を切り開いて14万平方メートルの海面を埋め立て、改良型沸騰水型軽水炉2基の計画である。
赤丸を付したのが上関原発計画地である。
地震のあった西予市とは、目と鼻の先である。
私は、宇和島市の伊達博物館に、古文書の調査に行ったことがあるが、絵に描いたような風光明媚な所であった。
同時に、四国、本州、九州が意外な近さであると感じた。
今回の地震(西予地震)は、上関原発計画に対する警告ではなかろうか。
11日に行われた政府主催の「東日本大震災三周年追悼式」に出席して式辞を述べた伊吹文明衆議院議長は、「震災で得た教訓を元にエネルギー政策の在り方について、現実社会を混乱させることなく、将来の脱原発を見据えて議論を尽くしてまいりたいと存じます」と述べ、「脱原発」の姿勢を打ち出した。
至極まっとうな意見であるが、 安倍首相周辺からは不快感が出ているという。
伊吹氏は、衆院議長に就任するに際し、自民党籍を離脱しているが、党内の良識派が続くことを期待しよう。
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