原発がベースロード電源になり得るのか/原発事故の真相(107)
中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の政府案が、2月25日に公表された。
原発を「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけ、安全性が確認されたものは再稼働を進めるとしている。
昨年12月時点では、原発は「ベース電源」であった。
「ベース電源」と「ベースロード電源」。
言い換えることの趣旨はどこにあるのか?
またまたレトリックによって、目くらましをしようということであろうか?
「ベースロード」とは常時継続的に供給を求められる電力量である。
それを供給する発電所などが「ベースロード電源」ということになる。
つまり、電源の種類や性格として説明しすることによって、「ベース」という位置づけ、基盤にするという判断を隠蔽しようということであろう。
何ともこそくではないだろうか。
「ベース電源」と「ベースロード電源」について、以下のような解説がある。
結論を言うと、「ベース電源」と「ベースロード電源」はどちらも「電気を安定的に供給する電源」という意味で、大きな違いはない。もともと海外では「ベースロード電源」と呼んでいるため、海外にならって文言を揃えただけとも言える。
しかし、これまでと今回の案では、ベースロード電源の「説明」に違いが見られる。これまではベース電源を単に「安定供給を行える電源」と説明していたのに対し、今回の案では「発電コストが安い」ことを説明に加え、原発がベース電源として必要であることに説得力を持たせているのだ。
これまで資源エネルギー庁では、日本における電源設備を3つのタイプに分類していた。常にほぼ一定の出力で運転を行う「ベース供給力」、電力需要の変動に対応して稼働し主としてピーク時に必要な供給を行う「ピーク供給力」、両者の中間的の役割をもつ「ミドル供給力」である。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/25/nuclear-power-base-load-energy-source_n_4852262.html
要するに、基底的な需要に対応する電源ということだと理解できる。
昼夜を問わず供給し続け、それなしでは、経済も暮らしも立ちゆかないような電源である。
しかし、原発がそういう電源として位置づけられるだろうか?
福島原発事故の検証が終わっていない段階で、そういう位置づけをすること自体、危ういことであろう。
事故が津波だけによるものなのか?
震度はいくつまで安全なのか?
原発のコストは、本当に安いのか?
コストには、どこまで含めているのか?
燃料費だけみれば安いのかもしれないが、ライフサイクル全体でみた場合はどうなのか?
事故の場合の対策費、補償費は十分に見込んでいるのか?
それに、廃棄物問題をどうするのか?
昼夜、運転をすれば昼夜核廃棄物が生成する。
現状は、増え続ける核のごみの処理策がない。
そういう状態で廃棄物を増やし続けることを基本とするというのは、正常な精神とは思えない。
早く再生エネルギーへの転換を図るには、どうすべきかこそが計画されなければならない。
格好のフロンティアを座視しているだけでいいのだろうか?
原発依存を続ければ、それだけフロンティアへの参入が遅れるだけではないのか?
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