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2014年2月14日 (金)

安倍首相の暴走をコントロールするのは?/花づな列島復興のためのメモ(307)

都知事選に自公両党が推した舛添氏が当選したことにより、安倍首相は当面国民の声を気にしなくてもいいような情勢になった、と考えているようである。
⇒2014年2月11日 (火):都知事選の結果と暗い予感/花づな列島復興のためのメモ(306)

憲法の実質的な改正に強い意欲を見せている。
従来、集団的自衛権は行使できないというのが政府の公式見解であった。
内閣法制局の横畠裕介次長は、6日の参院予算委員会に出席し、社民党の福島瑞穂氏から集団的自衛権行使の憲法解釈について問われると、「憲法で許されるとする根拠が見いだしがたく、政府は行使は憲法上許されないと解してきた」と従来の政府見解を説明した。

集団的自衛権行使に関する政府の憲法解釈変更を目指す安倍首相は、昨年8月に、慣例を無視して、外務省出身で解釈改憲に積極的とされる小松氏を起用した。
その小松氏は、検査入院で長期不在である。
小松氏は昨年秋の臨時国会で、この憲法解釈について「政府が自由に変更できる性質ではない」としつつ、「変更が至当との結論が得られた場合は許されないものではない」とも指摘した。

政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」は、4月に報告書をまとめる。
安倍首相は12日の衆院予算委で「(内閣法制局の議論の)積み上げのままで行くなら、そもそも会議(安保法制懇)を作る必要はない」と強調し、さらに、「(政府答弁の)最高責任者は私だ。(選挙による)審判を受けるのは内閣法制局長官ではない」と述べた。
ら解釈改憲を進めるという強い意欲の表れだろう。

しかし、首相主導で解釈改憲に踏み切れば、国民の自由や権利を守るため、政府を縛る憲法の立憲主義の否定になる。
日本国憲法の三権分立の基本原則を無視するものともいえよう。
さすがに、これについては自民党内にも批判があるようである。
2140214_2  
東京新聞2月14日

安倍首相の言だと、選挙に勝てば自由に憲法を変えられるということになりかねない。
麻生氏は、目立たないように憲法を変えればいい、とナチスを引き合いに出して語って大方の顰蹙をかった。
⇒2013年8月 4日 (日):撤回では済まされない麻生副総理の言葉
安倍首相は、「積極的平和主義」というが、その実体は好戦主義である。
往々にして、「平和を実現するために」という名目で戦争が始められることは、歴史の教えるところである。
⇒2013年10月18日 (金):積極的平和主義をどう理解するか/アベノミクスの危うさ(17)

戦争はある日突然始まるわけではない。
気がついた時には始まっていたというのが実相であろう。
沼津に住んだ新興俳句の渡辺白泉の代表句に次の句がある。
⇒2007年11月16日 (金):渡辺白泉

戦争が廊下の奥に立つてゐた

白泉の句は、戦争がいつの間にかしのび寄っていたことを詠んでいる。
京大俳句事件に連座して逮捕投獄され、起訴猶予ではあったが執筆禁止処分を受けた。
戦後は、長く沼津市の高校で教鞭を取った。

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