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2014年2月21日 (金)

浅田真央選手の大健闘と森東京五輪組織委会長の愚劣な発言

ソチ・オリンピックも終幕が近づいてきている。
まさにスポーツは筋書きのないドラマ。
私もその1人だが、日本選手の報道に一喜一憂した人は多いだろう。

中でも女子フギュアスケートには大きなドラマが秘められていた。
期待された日本女子は、SPで意外な不振。
中でも多くのファンの期待の高かった浅田真央選手は、言葉を失うような不調で16位という誰もが予想し得なかった結果となった。

この様子について、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相は福岡市の講演で信じられないような発言をした。

フィギュアスケート女子の浅田真央選手のショートプログラムでの演技について「頑張れと思って見てたら、見事にひっくり返ってしまった。あの子、大事な時には必ず転ぶんですよね。何でなんだろうなあ」と述べた。
また、団体で日本が5位になったことについても「あれは出なければよかった。浅田さんが3回転半をすれば、ひょっとしたら3位になるかもしれないという気持ちで浅田さんを出したが、見事にひっくり返った」とも述べた。さらに「団体戦も惨敗を喫し、その傷が浅田さんに残っていたら、ものすごくかわいそうな話だ。負けるとわかっている団体戦に浅田さんを出して恥をかかせることはなかった」とも語った。

http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/20/yoshiro-mori_n_4826817.html

まあ森氏はもともとリップサービス精神に富んだ人である。
2000年5月15日、神道政治連盟国会議員懇談会結成三十周年記念祝賀会において、「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知をして戴く」と発言して物議を醸したことがある。
森首相は2000年4月5日に小渕恵三首相の急死により、首相に就任したばかりであった。

この発言などから急速に内閣支持率を一ケタまで落とし、6月2日に衆議院を解散した。
6月25日の投票日までの間、この発言や「無党派層は寝ていてくれればいい」という発言、あるいは総理・総裁選出の経緯など、森氏の首相としての資質が盛んに論じられた。
この解散は、森氏の自作自演である、「神の国解散」と呼ばれたことは、まだ記憶している人も大勢いるのではないだろうか。

今回の森氏の発言も、浅田選手をかばっているようにも解釈できるのかも知れない。
しかし、「あの子、大事な時には必ず転ぶんですよね」「団体戦に浅田さんを出して恥をかかせることはなかった」は、失礼な話で私としては許しがたい。
私の不安が、不幸にも早くも的中したという感じである。
⇒2014年1月22日 (水):先行き不安な森五輪組織委員会会長/花づな列島復興のためのメモ(298)

さすが「サメの脳味噌」と言われた人物である。
こんな人物が組織委会長であって、本当に大丈夫か?
私は辞任というより解任すべきだと思うが。

このような発言があったにも拘わらず、浅田選手のフリーのスケーティングは素晴らしかった。

Photo_2  史上初めて6種類の3回転ジャンプをすべて成功させた浅田。「やりきった」との思いが込み上げたのか、演技を終えた瞬間、泣き顔に。リンク上で手で顔を覆い、涙がこぼれ落ちた。
 前日のショートプログラム(SP)では予定していたコンビネーションジャンプが飛べないなど予想もしない失敗が続き、55・51点という低得点に終わった浅田。この日のフリーでは6種類の3回転ジャンプを完璧に飛び、最後の3回転ループを決めた瞬間、力強く「よしっ」とうなずいたようにみえた。
 フリーの得点は142・71点。昨年11月のNHK杯で挙げた136・33点を上回る自己ベスト。得点が出た直後、満足そうに小さくうなずき、カメラに向け手を振りながら笑顔を振りまいた。
 前日のSP直後には「自分でも終わってみてまだ何も分からない」と放心状態だった浅田。だが、この日は「私が目指すフリーの演技ができた」と胸を張った。
http://sankei.jp.msn.com/sochi2014/news/140221/soc14022102290008-n1.htm

演技終了後に、感極まった感じで涙を見せたが、すぐに笑顔に切り換えた。
大健闘した浅田選手に大きな拍手を送りたい。

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コメント

浅田真央さんの演技は本当に素晴らしく、その涙も、見ていた人の、心を揺さぶりました。
が、今回、マスコミの殆どが、感動した、メダル以上の価値、と、声を揃えていることが、バンクーバーオリンピックの時とは、まるで違っていると、気付いて、私は‘おや?’、と思い始めたところです。
バンクーバー五輪の時は、この度の森某氏のような、真央ちゃんを、キム・ヨナ選手とは裏腹に、罵り、誹謗するような言い方で、日本のマスコミは、一色になっていました。
それが、今回は、この方の発言だけが異なっていて、しかも、それを、神国発言の時と似た感じに、批判の的にされています。

政治家の妄言、暴言報道というのは、全く、怪し気なものだと思います。
浅田真央さんのような、金メダル級のオリンピック選手についての発言は、国際的にも影響します。彼女を、実力や才能の無い選手と言っておく方が無難である、という、そういう、特に、韓国やカナダとの位置関係に於ける事情が、何か、依然、裏で、あるのではないでしょうか。
オリンピックも心置きなく楽しむことが許されない、複雑な状況の下に、日本はある、ということを、薄々に感じさせられることだと思います。

投稿: 五節句 | 2014年2月23日 (日) 14時16分

五節句様

コメント有り難うございます。
浅田真央さん、素晴らしかったですね。演技もさることながら、バンクーバー以後の彼女の精進、母上の逝去のことなども思い出されて、不覚にも涙が込み上げてきました。マスコミにもそういう意識があったのではないでしょうか?
私が腹を立てているのは、東京五輪組織委会長を引き受けていながら、アスリートに対するリスペクトがかけらも感じられないことです。いつまでのさばっているのでしょう。

投稿: 夢幻亭 | 2014年2月24日 (月) 13時46分

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