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2014年1月20日 (月)

名護市長選の結果と安倍政権/花づな列島復興のためのメモ(297)

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐって、政権の意向は是か否かが争われた名護市長選は、移設反対派の稲嶺現市長が勝利した。
▽稲嶺進(無所属・現)、19,839票(当選)。
▽末松文信(無所属・新)、15,684票。

稲峰氏は、共産党、生活の党、社民党、地域政党の沖縄社会大衆党が推薦、平松氏は、自民党が推薦した。
政権は、選挙結果を移設作業と切り離すという方針のようだが、はっきり民意はNoであることを突きつけられ、難航は必至と思われる。
選挙期間中、500億円の振興基金構想を表明した自民党の石破茂幹事長は、選挙結果を受けて、撤回の可能性を示した。
あたかも札ビラで靡かせるかのように、沖縄振興予算を大判振る舞いの姿勢を示し、負けたとなると引っ込めるようでは、沖縄の人心は離れる一方であろう。

昨年末に、安倍首相と仲井真沖縄県知事とのトップ会談で、辺野古埋立が県として了承された。
確かに、米軍基地の問題は国政の問題であって、自治体の首長選挙には馴染まないかも知れない。
しかし、公有水面を埋め立てて滑走路を建設するという作業が、地元自治体の意思を無視して円滑に進むとは思えない。
名護市の許可が必要な事業も少なくないのではないか。

仲井真氏は再選された2010年の県知事選で普天間飛行場の県外移設を公約した。
その後も県民の反対が強い県内移設は「事実上不可能」と繰り返し強調していた。
県内移設のための埋め立てを承認する際も、県外移設を求める考えに変わりないとしていたが、一般には「不可解」な答弁と言うべきであろう。
仲井真知事には首相の言うことを聞かざるを得ない事情もあったようであるが、問題は今後地元の意向をどこまで無視し得るかということであろう。
⇒2013年12月29日 (日):辺野古埋立承認の背景としての徳洲会/花づな列島復興のためのメモ(287)

仲井真知事は「辺野古推進」を訴える末松氏を全面支援し、当選させて承認への批判をやわらげようと図ったが、果たせなかった。
仲井真氏への逆風も強まるであろう。
12月に予定されている知事選も、自民党候補者が有利だとは限らない。

公約違反は知事だけではないからだ。
2012年の衆院選で、自民党本部は普天間問題を公約に明記せず、沖縄の同党公認候補はそれぞれ県外移設を訴えた。
昨年の参院選では党本部は県内移設を掲げたが、党沖縄県連は県外移設を「地域公約」として訴えた。
にもかかわらず、党沖縄県連は県内移設容認に転換し、仲井真知事の埋め立て許可を後押しした。
国政選挙で自民党を支持した沖縄の有権者にとって、自民党は公約違反とせざるを得ないのではないか。 

日米安全保障条約上、日本政府は基地提供の義務を負う。
米軍基地は、騒音、事故、米兵らの犯罪、戦争への加担という精神的な重圧など多くの負担を強いる。
沖縄には在日米軍基地の約74%が集中しているという現実を、そのままでいいと思う人は、本土に住む人間でも少数であろう。

危険な普天間飛行場をどうするか?
「最低でも県外」と言明した鳩山元首相は、迷走に拍車をかけたが、一義的には自民党長期政権の責任であろう。
依然として安倍政権の支持率は高いようだが、都知事選、消費税増税によってどう変わるか?
外交問題も予断を許さない。
政権の基盤は意外と脆いようにも思える。

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