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2014年1月 6日 (月)

核燃料サイクルをどう考えるか?/花づな列島復興のためのメモ(290)

エネルギーは、生活・生産に不可欠である。
将来のエネルギー源の構成をどう考えるか?
産経新聞の1月4日付の社説(主張)欄は、「原子力による電力供給が「ゼロ」」という今年の年始を「異例」と表現した。

 国内50基の原発が昨秋以来、すべて停止しているためである。
 昨年7月、原発の新規制基準が施行され、第1陣として北海道、関西、四国、九州の電力4社が、計12基の原発の安全審査を原子力規制委員会に申請した。
 半年が経過し、審査の完了した原発は1基もない。牛の歩みを思わせる緩慢さだ。電力会社への資料提出の求め方などに手際の悪さがあるのでないか。規制委は外部とのコミュニケーションを密にして的確な審査を円滑に進めるための改善努力が必要だ。
http://mugentoyugen.cocolog-nifty.com/blog/cat45844246/index.html

果たして原発の安全審査は、牛の歩みを思わせる緩慢さだろうか?
そして、審査の遅いことは悪いことであろうか?

同紙は、「原発の再稼働が1日遅れるごとに、50基合計で毎日100億円の国富が消える」と書くが、その根拠の数字は何か?
原発の発電コストをどう見ているのか?
⇒2013年1月23日 (水):原発は本当にコスト優位性があるのか?/花づな列島復興のためのメモ(182)
⇒2013年8月23日 (金):政府は非常事態宣言を発するべき/原発事故の真相(80)

電源別の発電コストは以下のように説明されている。
Photo
http://www.shins.com/nuclear/nuclear0140.html

産経新聞の「主張」は上表に基づいているのかも知れない。
しかし、実際に掛かっているコストは下表のようである。
Photo_2
http://www.shins.com/nuclear/nuclear0140.html

この数値は、実際に東電が原発の設置許可申請書に記載した発電原価である。
一番安い原発でも10.32円、高いものでは19.71円も必要であり、他の電源よりむしろコスト高である。
上記は発電コストであるが、原発の場合、実際に利用される都市部には設営する事が出来ないので、遠距離の送電費用を算入することが必要である。
つまり、利用するためには、この他に、廃炉費用や核燃料の再処理費用などが必要である。
それはどう見積もっているのだろうか?

何よりも、福島原発事故は未だ収束していないし、収束の見通しも立っていないが、事故対応コストはどこまで見込んでいるのか?
核燃料サイクルが未完成では、コストも算出しようがないのかも知れないが、だからネグレクトしていいというわけではないことは、当然であろう。
事故対応だけでも、東電という巨大企業でも負担しきれないのが現実である。
現実を見据えた場合、どこから考えても、産経新聞の「主張」は成立しない空論ではないのか。

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