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2013年12月31日 (火)

今年を振り返って

早いもので、2013年も暮れて行く。
私なりに今年印象に残っていることを書いておく。

個人史としては、おおむね大過なく過ごすことができたように思う。
身体の不自由は依然として続いているが、家族旅行などはなんとかできる。
発症後満4年を過ぎて、症状固定期ではあるが、それでも僅かずつではあるが回復途上であるとは思う。
加齢による衰えとの競合ということになるが、現時点では回復の方がやや勝っている。

今年も多くの人を見送ることになった。
このブログで取り上げさせて頂いた人の名前を列挙する。
反権力の闘士・大島渚さん/追悼(24)2013.01.15
時代を体現した大横綱・大鵬さん/追悼(25) 2013.01.20
無間地獄の闘病生活・市川團十郎さん/追悼(26) 2013.02.05
先見性の故に陥った罠・江副浩正さん/追悼(27) 2013.02.11
中国論をこえた浩瀚な学識・中嶋嶺雄さん/追悼(28) 2013.02.20
無類の知の渉猟者・山口昌男さん/追悼(29) 2013.03.12
存在感の際立った「怪優」・三國連太郎さん/追悼(30) 2013.04.16
死の淵の人・フクイチ元所長吉田昌郎さん/追悼(31)2013.07.10
パラダイムに捉われない古代史家・森浩一さん/追悼(32)2013.0810
ひっそりとした死・高橋たか子さん/追悼(33)2013.08.14
余りに文芸的な・大河内昭爾さん/追悼(34)2013.08.25
ファミコンで新時代を開く・山内薄さん/追悼(35)2013.09.20
社会派の長編作家・山崎豊子さん/追悼(36)2013.10.01
幼児のアイドルアンパンマン・やなせたかしさん/追悼(37)2013.10.16
消費社会の変容と広告批評・天野祐吉さん/追悼(38)2013.10月.22
不動の人・川上哲治さん/追悼(39)2013.10.31
薄幸の昭和の歌姫・島倉千代子さん/追悼(40)2013.11.09
華麗なる文化人実業家・堤清二(辻井喬)/追悼(41)2013.11.28

上記以外にも、記憶に残すべき人は数多くいた。
改めて追悼の意を表したい。

環境的にはどんな年であったか?
個人的な思いを率直に言えば、違和感が際立つ年であった。

異常気象は今や恒常現象となったとも言われるが、今年も多くの極端な気象に見舞われた。
特に夏場の台風と集中豪雨と酷暑と竜巻。
これらは相互に関連があるのだろうが、「今までに経験したことのないような」事象が頻発した。

また、夏と冬が強烈で、春と秋の影が薄くなっているような気がする。
四季の移り変わりは日本の恵みである。
季語などもだんだん分かりにくくなっているのではなかろうか?

社会的な事象は、心が暗くなるようなものが多い。
今年の漢字は、「輪」であった。
Photo
http://lovelivepress.com/blog-entry-498.html

オリンピック招致が大きな要因だった。
しかし、最終プレゼンで、安倍首相が福島原発事故について、「状況は完全にコントロールされている」といったのは明らかに虚偽説明であろう。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)

そして肝心の猪瀬都知事は、徳洲会からの5,000万円受領疑惑で辞任せざるを得なくなった。
⇒2013年12月19日 (木):百条委の設置と猪瀬氏辞任/花づな列島復興のためのメモ(283)
⇒2013年12月20日 (金):猪瀬氏の決定的な勘違い/花づな列島復興のためのメモ(284)

また、新国立競技場のデザインが問題になっている。
Photo_3
http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/NNSJ/winners.html

デザインコンペの最優秀作はザハ・ハディドさんのデザインに決まったが、景観上如何なものかという意見がある。
そして何よりも、コンペの要項が、都の条例の制限に反していた。
80,000人収容という目的が先行したもので、招致のためなら何でもアリ、という姿勢だった。
これらは、オリンピック招致成功という国民的祝賀気分に水を差すものであろう。

政治経済の面では、良くも悪くも、安倍首相の独擅場の感があった。
アベノミクスの旗により、円安が進み、デフレは止まり、株価は上昇した。
日経平均株価は、1年間で56%も上昇した。
日本取引所グループの斉藤CEOは、「世界でダントツ」と胸をはったが、デフレ脱却というよりもバブルを思わせる。
物価上昇も、需要の増大の結果というよりも、輸入品のコスト上昇の結果ではないか。
私は、大納会に出席した安倍首相が、「来年もアベノミクスは買いです」という声を上げるのを、「そうかな?」と疑わしい気分で聞いた。

4月からは消費税増税であるが、その影響はどうなるであろうか。
野口悠紀雄氏の説くように、「株価は上がったが、給料は上がらない」とならないことを祈る。
まあ、年金生活者には給料も関係なく、負担増に対処するには、間違いなく消費を抑制せざるを得ないであろうが。

各地の高裁で、昨年の総選挙と夏の参院選について、違憲(状態)の判決が続出している。
そのような国会において、特定秘密保護法が成立し、安倍政権は実質的な憲法改正に向かって外堀を埋めつつある。
⇒2013年12月 7日 (土):特定秘密保護法成立の後で/花づな列島復興のためのメモ(278)

私には、天皇誕生日における会見で、天皇陛下自ら、「平和と民主主義を,守るべき大切なものとして,日本国憲法を作り,様々な改革を行って,今日の日本を築きました。」と仰っているのは、このような安倍政権の動きを暗に諭しているような気がしてならない。
⇒2013年12月30日 (月):千鳥ヶ淵戦没者墓苑と靖国神社/「同じ」と「違う」(67)

中国や北朝鮮などが不安定化している。
特に、中国防空識別圏設定や張成沢処刑などはいずれも軍のイニシアティブで行われたという。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20131231ddm001030127000c.html

中・韓との関係はどうすべきであろうか?
外交は来年に向けての大きな課題となろう。

エネルギー問題については、原発の限界性がはっきりしたのではないか。
しかし、廃炉への工程も代替エネルギー開発についても道は遠い。
政府が積極的に取り組むべきではないのか。
慌ただしく、心弾まない年の瀬である。

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