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2013年12月11日 (水)

窮地の猪瀬都知事と後継候補/花づな列島復興のためのメモ(280)

猪瀬都知事が、徳洲会からの献金問題で窮地に立たされている。
オリンピック招致のときの雄姿(?)とは打って変わり、都議会で釈明する姿は哀れとも見えるものだった。
責任を取るという意味で、自分の給与の全額を返上するということだが、それで責任を取ったことになるのだろうか?

私は、TVで放映されているのを見て、猪瀬氏は持たないのではないかと感じた。
言い訳にスジが通っていないのである。

猪瀬氏は、11月22日の午後1時の時点では「資金提供という形で応援してもらうことになった」と説明していたが、その後は「(都知事選後の)生活に対する不安があった」から借りた*1ので、個人の借金だと主張している(産経ニュース)。選挙資金であると認定されると違法になるのは分かるのだが、倫理的にはより大きな問題を抱える事になっている。
5,000万円が政治資金であれば、無記載は法律の解釈ミスと言い張ることもできるであろう。個人的な目的で借りたと言う事になれば、個人借用としての不自然さもさることながら、当時副知事として公職にある者が特別な便益を受けたと言う事になる。東京都は徳洲会グループの施設に補助金を支出していた(産経ニュース)。

http://blogos.com/article/75650/

後はタイミングの問題といった様相である。
それはそれで責任をとったことにはなるのだろう。
1943年に制定された都職員服務紀律は、職務上の「利害関係者」からの利益供与を禁じている。
借金も利益供与とみなされ、職責の大きさや職務への影響、信用失墜の度合いなどを踏まえて処分の程度が決まる。
猪瀬氏は副知事だったから、服務規律の対象であろうと考えるが、都によると、猪瀬氏はいったん副知事を辞めてから選挙で知事になっており、紀律は適用できないという。
しかし、倫理的に見たら許されるものでもないだろう。

猪瀬氏が辞めたらどうなるか?
早くもソワソワと動き出している人たちがいる。

「かつて都知事選で石原氏とも戦ったことがあり、現在浪人中の舛添要一氏が筆頭でしょう。石原氏が都教育委員などのポストに起用し続け、現在、首都大学東京理事長の川淵三郎氏の線もある。Jリーグ初代チェアマンとしてスポーツ色が強く、五輪開催の“顔”になりますから」(都議会関係者)
「民主党も動くだろう。菅(直人元首相)さんあたりは黙っていない。日本維新の会の東国原英夫衆院議員も色気があるはず」(野党関係者)
 さらには、こんな話も。
「局内では、キャスターの安藤優子氏の名前が出ている。本人もまんざらでもない様子です」(フジテレビ関係者)

http://dot.asahi.com/aera/2013121100004.html

 日本維新の会の東国原英夫衆院議員(比例代表近畿ブロック)は11日、自身のブログで「残念ながら維新の理念、政策、方向性が変質している。党の刷新は困難だ」として、離党と議員辞職の意向を表明した。同日中に離党届を提出する。橋下徹共同代表(大阪市長)は市役所で記者団に「これはもう本人の意思だ」と述べ、慰留しない考えを示した。
 東国原氏はブログで、維新が特定秘密保護法の衆院審議段階で与党と修正合意したことについて、「妥協や歩み寄りをすべきではなかった」と批判。橋下氏と石原慎太郎共同代表との「東西二元体制の弊害」も離党の理由に挙げ、「政策決定プロセスが有機的に機能していない」と指摘した。
http://topics.jp.msn.com/flash/article.aspx?articleid=2557601

東国原氏の言うことは尤もだとも思うが、余りに政局的であろう。
こういう人は、大概は選挙が始まる前に消えていくのではないか。

「週刊ポスト2013年12月20・27日号」に、『小泉東京都知事なら何が起きるか』という記事が載っている。
東京都の経済規模は、G20に名を連ねるほどの規模だ。
しかも7年後には夏季オリンピックが待っている。
「オイシイ」ポストである。
言ってみれば「巨大な棚ボタ」が天から落ちてくるのだ。
その割に、わくわく感に乏しい名前だろう。

猪瀬氏は昨年の選挙で433万票という史上最多得票を得た。
新知事がその数を超えなければ「猪瀬氏以下の期待」でしかないことになる。
「433万票の壁」を破る人物は誰もいないのか?

その壁を簡単に乗り越えるであろう人物といわれれば、誰もが「原発ゼロ」演説で存在感を放った小泉純一郎・元首相を思い浮かべるはずだ。
「仮に出馬すれば我々に勝ち目はないから候補を立てられない。民主党も維新も同じで、小泉支持に回らざるを得ない。共産党は戦うだろうが、原発ゼロを唱える小泉は共産党支持層さえも奪い取る。得票率9割超の圧勝になるだろう」(前出の自民党都連関係者)

と解説しているがどうであろう。
郵政民営化が正しかったかどうかは措くにしても、確かに、「脱原発」を振りかざす訴求力は並大抵ではない。
「みんなの党」の江田憲司前幹事長が新党を立ち上げるようだ。
しかし1党多弱といわれる状況の中で、野党再編ということに意味は余り無いないだろう。
なんらかの形で政界再編に繋がらないようでは、コップの中の嵐に過ぎない。
せめて「やり直し都知事選」で、何か新しい胎動が生まれないとこの国の将来は暗いだろう。

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