原発被害の救済を急げ/原発事故の真相(98)
今日で、東日本大震災発災の2011年3月11日から、1,000日である。
1,000日というのは、長いのか短いのか?
いまも約26万人がプレハブなどの仮設住宅で暮らしている。
仮設住宅での1,000日は、やはり長いのではないか。
「災害の階級性」ということを聞いたことがある。
東日本大震災の犠牲者について、以下のようなデータがある。
東日本大震災(2011年)でも犠牲者を年代別に数えると、60代が19%、70代が23%、80代以上も23%あった。一方、50代は12%、40代は7%、30代は6%だったから、高齢者の割合は人口割合よりもずっと多かった。つまり、現代の地震は弱者を狙い撃ちにするのである。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131108/dms1311080723003-n1.htm
古い住宅に住み、費用のかかる耐震補強もおいそれとはできない弱者は、被害も大きいというのは分かりやすいが、それを放置するというのは政治・行政として問題だろう。
福島第一原発事故で被害の救済が遅れている地域がある。
宮城県丸森町筆甫地区は、福島第一原発事故の北北西約50キロの地域である。
丸森町の位置は下図のようである。
被曝許容基準をどう考えるかについて、何が正しいのか明確ではないが、除染の目安とされてきた1ミリシーベルト/年と考えよう。
1年は8,760時間(365×24)であるから、1/8,760=0.00011ミリシーベルト/時ということになる。
0.00011ミリシーベルト/時=0.11マイクロシーベルト/時ということになる。
⇒2013年11月23日 (土):被曝基準の実質緩和/原発事故の真相(94)
丸森町筆甫地区の線量の実測値は、おおよそ数倍のレベルである。
にもかかわらず、福島県ではないことにより、損害賠償、除染等は遅れている。
少なくとも、1ミリシーベルト/年まで除染することを急ぐべきであろう。
福島県では避難指示区域外の子供や妊婦には、52万円が支払われているのに対し、丸森町では28万円であり大きな差がある。
被曝の健康影響調査も福島県に限定されている。
県境は人為的に定められたものであり、放射能の影響はシームレスである。
東電に当事者能力がない以上、宮城県であっても、線量の高い地域は積極的に国が関与して対策を講じるべきではないか。
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