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2013年12月19日 (木)

百条委の設置と猪瀬氏辞任/花づな列島復興のためのメモ(283)

医療法人徳洲会グループから受け取った5千万円をめぐる疑惑の追及で崖っぷちに立たされていた猪瀬都知事が、都議会が百条委設置を決めた渦中に辞任を表明した。

猪瀬直樹・東京都知事は12月18日午前、辞職願を都議会議長に提出した。医療法人「徳洲会」グループから5000万円の資金提供を受けていた問題で、都政に混乱を招いた責任を取ったという。午前10時半から都庁で緊急記者会見を開き、辞任に至った経緯を説明した。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/18/inose-naoki-resign_n_4469900.html

まあ、やむを得ないであろうが、残念なことではある。
⇒2013年12月11日 (水):窮地の猪瀬都知事と後継候補/花づな列島復興のためのメモ(280)
⇒2013年12月17日 (火):猪瀬さん、『言葉の力』は今いずこ?/花づな列島復興のためのメモ(282)
猪瀬氏は、2012年12月16日執行の東京都知事選挙で史上最多の433万8936票を獲得して当選した。
当選人告示が行われ第18代東京都知事に就任したのが、18日のことである。
奇しくも辞任の意向が明らかになったのが、就任1年目の日だということになる。

18日には、東京五輪招致成功の舞台裏を描いた猪瀬氏の著書『勝ち抜く力 なぜ「チームニッポン」は五輪を招致できたのか』PHP新書が都内の書店で売り出された。
Photo_2
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131219/crm13121908240005-n1.htm

タイミングが良いというのか悪いというのかは、立場によるだろうが、猪瀬氏にとっては間が悪いとしか言いようがないだろう。
いずれにせよ、オリンピック招致の立役者が、オリンピック準備が停滞することが主な辞任圧力になったとすれば皮肉というしかない。

猪瀬氏の外堀は、完全に埋まってしまっていた。
猪瀬氏は、政治家になる前は、作家として政治や社会問題について積極的に発言をしてきた。
私が記憶しているのは、日米開戦直前の夏の総力戦研究所という組織の若手エリートたちがシミュレーションをした戦争の経過を描いた!『昭和16年夏の敗戦』や、西武王国・堤氏支配の仕組みを解き明かした 『ミカドの肖像』などであるが、緻密な調査と読ませる筆力は迫力を感じるものだった。
2007年に、石原知都事の要請で副知事に就任し、2012年10月に石原氏の辞職表明の伴い、後継に指名された。

窮地にトドメを指したのは、副知事時代の東電追及の過程で東電病院の売却を迫ったことが、徳洲会が購入を希望していたことと関連付けられたことである。
猪瀬氏が昨年11月に徳田虎雄前理事長に面会した際、売却が決まっていた東京電力病院の取得を目指す考えを伝えられていたことが、関係者から明らかにされた。
12月6日の都議会一般質問で「東電病院の売却は話題になっていない」とした猪瀬氏の答弁は、虚偽だった疑いが出てきたのである。

なぜ、徳田氏との面談で話題になったことを率直に認めなかったのか?
私は、東電に病院の売却を要求するという猪瀬氏の行為も、徳田氏が取得を目指すのも、ある意味では当然のことであると思う。
株主総会で東電経営陣に東電改革の象徴として、東電病院のあり方について問い質す姿がビデオ放映されているが、猪瀬氏の発言内容にことさら問題になるようなことはないように思う。
問題は、当然利害が想定される立場の人間から、経緯(説明)が不明瞭な大金を授受したことである。
説明がムリにムリを重ねて収拾がつかなくなったということではなかろうか。

18日に、猪瀬氏は石原前知事と面会している。
安倍首相と石原氏は、平沼赳夫氏を交えて首相官邸で昼食を取りながら会談している。
「辞任を促された」と伝えられているが、後継指名された人からの言であれば決断せざるを得なかったであろう。
申し合わせたように、高村自民党副総裁からも辞任圧力があった。

この一連の展開には、何やら謀略的な匂いがしないでもない。
都議会が百条委の設置を決めたのと、辞任圧力との間に関係はないのか?
百条委は、猪瀬氏の辞任によって設置されなくなる。
当初、百条委の設置に積極的だったのは共産党だけで、自公両党は積極的ではなかった。
百条委によって明らかにされると具合があるいことでもあるのだろうか?
猪瀬氏の答弁が百条委の設置を促したのはその通りであろうが、自民党筋から辞任圧力とも受け止められる動きが急遽出てきたのがクサイ。

あるいは、「男の嫉妬の海」に溺れたか?
政界が嫉妬と欲望が渦巻いている世界だということは良く聞くことだが、猪瀬氏を追及する都議会議員の姿は、434万票という史上最多得票への嫉妬のようなものが感じられた。
猪瀬氏に対する434万人都民の期待は、政治のプロとしての期待ではなかったはずである。
後継が談合のような形で決まることなど、よもや無いとは思うが、清新な候補者の出現を待ちたい。

問題は、猪瀬氏辞任で幕を引いてしまってはならないことだろう。
辞任に至る経緯を、「ひとえに私の不徳の致すところ」などという抽象的な言葉で語ってはならない。
猪瀬氏には、文筆家の初心に戻って、真実を明らかにし、汚名を潅ぐことを切望する。

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