福島第一事故現場の作業員の状況/原発事故の真相(96)
福島第一原発事故は、ようやく4号炉から使用済み燃料棒を取り出す工程に入った。
しかし、廃炉に至るまでまだまだ多くの苦難が予想される。
⇒2013年11月19日 (火):廃炉への長い工程と脱原発/原発事故の真相(93)
福島第一原発で働いている作業員の不足が深刻化している。
多くの作業員が、過酷な労働や基準を超える大量の被曝が原因で辞めているからである。
鉄骨がむき出しの崩壊建屋と体をむしばむ目に見えない放射能の恐怖。
劣悪な作業現場ではあるが、現在も3000人の人が収束作業に取り組んでいる。
廃炉作業が完了するまで30~40年かかると言うから、被ばく労働の長期化は避けられない。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/akari/list/CK2013012802000213.html
劣悪な環境は物理的なものだけでなく、社会的・制度的にもいえる。
元請けから下請けへ、多重下請けの構造である。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/akari/list/CK2013012802000213.html
当然のことながら、末端の作業員の報酬は目減りする。
東電は被曝量を過小評価するなどの姑息な対応をしているというが、熟練の作業員には通用しない。
ベテラン作業員の不足が作業ミスに繋がるというような悪循環が発生する。
東京新聞11月16日
作業員の被曝線量のの目安は以下のようである。
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/bfa4f0a91a8e749cd50f19f3b47cee1f
ベテランの作業員や監督職はどうしても被曝量が大きくなりがちである。
国が事故収束宣言をしたことが、作業員の労働条件の悪化を招いているともいわれる。
⇒2013年11月13日 (水):原発事故収束宣言のもたらしたもの/原発事故の真相(92)
基本的には待遇改善と健康管理の徹底を図ることであろう。
しかしながら経営の悪化している東電にはムリだと思われる。
原発を再稼働させて原資を捻出しようなどというアクロバティックなことを考えずに、正面から取り組まなければならないであろう。
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