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2013年12月22日 (日)

敦賀原発2号機の直下断層/原発事故の真相(100)

原子力規制委員会は、原子炉直下に活断層があると認定した日本原子力発電(原電)敦賀原発2号機(福井県)について、専門家チームによる現地調査を再び行うことを決めた。
原子力規制委員会が、原子炉直下の破砕帯が活断層の可能性が高いとした見解に対して、日本原子力発電株式会社(日本原電)が公開質問状を提出するなどの形で反論しているのを受けたものである。
⇒2012年4月28日 (土):活断層の上の原発/花づな列島復興のためのメモ(57)
⇒2012年12月12日 (水):日本原子力発電の公開質問状に対する違和感
⇒2012年12月14日 (金):活断層の上の原発を止められない?/花づな列島復興のためのメモ(173)

福島第一原発の事故を受けて、原発を従来通り推進すべきか、脱原発の方向に舵を切るべきか、まさに国論は2分されている。
私はもちろん即時原発ゼロ論に立つ。
事故が未だ収束には程遠い状況であること、現時点ですでに原発ゼロであること、核燃料の廃棄物の処理の仕組みが確立していないことが理由である。
少なくとも、事故原因が明確になるまでは、新増設はもちろんのこと、再稼働も控えるべきであると考える。

安倍政権は、原発に意欲的である。
政権のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の改正案が、12月13日まとまった。
原発推進を大前提にしているが、慎重論を一部併記している。
安倍政権といえども、脱原発を求める世論には逆らえないということだろう。

脱原発の世論は広範囲であるが、「エネルギー基本計画」に慎重論に対して一定の配慮をせざるを得なかったのは、小泉元首相の脱原発論の影響が大きいと思われる。
⇒2013年10月27日 (日):小泉元首相の脱原発論/アベノミクスの危うさ(18)
⇒2013年12月 2日 (月):小泉「脱原発」発言は無責任か?/原発事故の真相(97)
⇒2013年10月30日 (水):脱原発問題と俯瞰する力/知的生産の方法(75)
⇒2013年11月14日 (木):細川・小泉連携で「山は動く」か?/花づな列島復興のためのメモ(271)

エネルギー基本計画は、2002年に成立した「エネルギー政策基本法」に基づき、3年に一度見直すことになっている。
民主党政権は「2030年代に原発稼動ゼロ」を目指すとしたが、安倍首相は2012年末の政権獲得後、民主党政権時代の脱原発のエネルギー政策を「ゼロベースで見直す」と明言し、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の基本政策分科会で議論を進めていた。
分科会は新日鉄住金相談役名誉会長の三村明夫氏(日本商工会議所会頭)が会長を務め、委員15人のうち、明確に脱原発を主張したのは植田和弘京大大学院教授と辰巳菊子日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問の二人だけだった。
これでは、結論ありきの会議であると言わざるを得ないだろう。

  案の定、今回の計画案は「安全性の確保を大前提に、基盤となる重要なベース電源として原子力を引き続き活用していく」と、原発推進を明確にした。ただ、「原発依存度については可能な限り低減させる」と、脱原発に理解を示す一方、「必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する」と、原発の新設・増設に含みを持たせる玉虫色の内容となった。
http://www.j-cast.com/2013/12/21192064.html

政府が前のめりになっている以上、日本原電も希望を捨ててはいられないだろう。
もし原子力規制委員会の認定を受け入れれば廃炉ということになる。
現在は東海第2、敦賀1号機と2号機の3基の原子炉を保有しているが、東日本大震災と東京電力・福島第1原発の事故で、現在は3基すべての稼働を停止している。
廃炉になれば、電力会社が払っている基本料金も払われなくなり、まさに存廃に関わる問題である。

Photo規制委は昨年十二月、チームを現地に派遣し、2号機の直下を通る「D-1断層」の延長線にある試掘溝(トレンチ)で新たな断層を確認した。今年五月、地層の状況から両断層は一体のもので、建屋の東側を通る活断層「浦底断層」と連動し、耐震設計上考慮する活断層だと認定した。原電は「活断層ではない」と反論。今年七月に追加の調査結果を規制委に提出し「地層に含まれる火山灰の分析から(新たに確認された)断層は新しい年代には動いていない。2号機の方向にも延びていない」とし、再調査を求めていた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013121802000231.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

活断層か否かにはファジーな要素が避けられない。
事業継続のためには、明確に、活断層ではない、ことを示すことが必要である。
その挙証責任は、もちろん事業者である日本原電にあるとしなければならないだろう。

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