猪瀬都知事の徳洲会からの金銭借用/花づな列島復興のためのメモ(276)
猪瀬東京都知事が、選挙前に医療法人徳洲会からの金銭借入の問題がクローズアップされている。
猪瀬直樹-Wikipediaには、以下のように記述されている。
2013年11月に明らかになった報道によれば、2012年の都知事選前の2012年11月に、医療法人徳洲会グループ創設者の徳田虎雄に「都知事選に出ます」と挨拶し、徳田毅衆院議員を通じて「余ったら返すのでまずは1億円をお願いしたい」と電話し、1億円の資金提供を要求していた。この件で市民団体が告発状を提出し、マスコミに報じられた。
猪瀬知事は受け取った資金について、「借入金」であると説明し、「徳洲会側から申し出があり、厚意を断るのは失礼だと考えて借りた。5000万円という額になった理由は分からない」と説明している。
・・・・・・
2013年11月29日の定例都議会で、医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取った経緯などを説明したのに対し、各会派や傍聴席から「不十分」「納得できない」と批判の声が相次いだ。猪瀬知事には、「職員なら、懲戒免職なんだよ」などと、容赦なく、やじが浴びせられ傍聴者の1人が守衛によって議場の外に出された。共産党は、地方自治法に基づき、議会が直接、調査を行う「百条委員会」を設置し、疑惑の徹底解明を求める方針を示した。
私たちその道の素人にも、「選挙には金がかかる」という認識はある。
昔は井土塀政治家などといわれる人もいた。
政治家になってから、選挙のたびに金を使いはたして、井戸と塀しか残らなくなったという政治家のことを指す。
藤山愛一郎氏が典型で、藤山財閥とまで言われた莫大な資産を政治家になったばかりに失い、最後に残ったホテルニュージャパンも乗っ取り屋として名高い横井英樹の手に渡った。
まあ、上掲Wikipedia記事がどこまで信頼できるかということは措くとしても、猪瀬氏が都知事選を前にして、徳田虎雄氏に資金の相談(提供を持ちかけ)、徳田毅氏を通じて5,000万円を受領していたことは間違いない。
問題の選挙は、2012年12月16日に行われた。
猪瀬氏が史上最多の433万8936票を獲得し、当選したことは記憶に新しい。
徳洲会からの5,000万円の借入金は、どこでどう使われたのだろうか?
借入時期が都知事選の直前であるから、普通に考えれば「選挙のための資金」であろう。
しかし、猪瀬氏は、公職選挙法違反に問われかねないため、「個人の借り入れ」と主張し、証拠に「借用証」を提示して疑惑払拭しようとした。
この「借用証」が疑惑を拭うどころか、増幅させることになった。
金銭の貸借は、一般に「金銭消費貸借」と呼ばれ、「金銭消費貸借契約書」と呼ばれる契約書を交わす。
もちろん、口頭だけの契約でも貸借関係は有効であるが、一般に5,000万円という金銭ならば形式を整えようとするだろう。
しかし、猪瀬氏が、「これが借用証だ。文句ないだろう」という顔をしながら提示した借用証は余りに素人っぽいものだった。
http://gendai.net/articles/view/life/146240
金銭消費貸借に携わったことのある人なら、びっくりするような代物である。
1.返済期日が明示されていない
2.無担保である
3.無利息である
4.捺印がない
5.漢数字を使用していない
6.収入印紙が貼付してない
この借用証は法的には有効であろうが、問題はそこにはないだろう。
本来認証に印鑑を重視する印鑑主義が未だに日本では一般的である。
出来合いの印鑑を三文判というが、三文判すら捺印していない借用証で5,000万円の金銭が動いたならば、世の中に悪影響を及ぼしかねない。
偽造や偽装が容易だからだ。
猪瀬氏の著書については、『昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)』(1006)や『ミカドの肖像 (小学館文庫)』(0503)等を読んだ。
緻密で幅広い調査力と読み手を引き込む文章力の持ち主であり、有能なリサーチャーになり得た人だと思った。
⇒2012年5月25日 (金):維新連合成否のカギ握るブレーンの力/花づな列島復興のためのメモ(73)
猪瀬氏は優秀な参謀ではあっただろうが、将としては、果たしてどうであろうか?
現在の都議会は、今年6月行われた選挙で、自民党と公明党が全員当選を果たし、それぞれ第1党、第2党となっている。
自民党は、藪蛇を恐れてか疑惑追及に及び腰であるようだ。
第3党にまで躍進した共産党のみが地方議会の「百条委員会」の設置に積極的である。
猪瀬氏は、434万票の票の重みをしっかりと受け止め、疑惑に対し謙虚に説明することを期待されていることを自覚すべきである。
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