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2013年11月14日 (木)

細川・小泉連携で「山は動く」か?/花づな列島復興のためのメモ(271)

「動かざること山の如し」
武田信玄の風林火山で有名だが、出典は『孫子』・軍争篇第七の「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」である。
山は、動かないもの、崩れないものの代表ということだけど、最近の山地における土砂災害の多発を鑑みると、必ずしも適切とは言えないようだ。

1989年の第15回参院選において、社会党が改選議席の倍以上を獲得、改選分では社会党が第一党、総議席では自民党が過半数割れの比較第一党という結果となった。
現在の社民党からは想像しにくいような大躍進である。
この時、土井たか子社会党党首が、「山が動いた」の名文句を発した。
「動くはずのない」山が動いたという感慨があったのだろう。
消費税・リクルート事件の追及の際に強化された社公民路線を基礎とし、連合の会候補を3党が推薦するといった選挙協力体制が功を奏したといわれる。

しかし、自民・社会のいわゆる「55年体制」は、、1989年(平成元年)秋の東欧革命から1991年(平成3年)12月のソ連崩壊により自ずから崩壊を余儀なくされた。
つまり「55年体制」は東西冷戦の鏡だった。
土井社会党も、1991年の統一地方選挙で敗北し、土井は委員長を引責辞任した。
「山が動いた」ように見えたのは、束の間の幻覚のようなものであった。

さて、衆参のねじれを解消して、安倍自民党に死角はないように見える。
少々のムリを通しても、何とかなるというような強気が窺われるのも、議席数において圧倒的多数を占めているからであろう。
まさに安倍自民党は、山の如し、であろうか?

細川護煕氏と小泉純一郎氏の2人の元首相が、「脱原発」で歩調を合わせつつあることが報じられている。
⇒2013年10月27日 (日):小泉元首相の脱原発論/アベノミクスの危うさ(18)

小泉氏は、12日東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、「安倍首相に原発ゼロの方向に権力を使ってほしい」と政策転換を促した。

 小泉氏は首相の権力と世論の力を示す事例として、自らが首相時代に衆院を解散し、いったん廃案になった郵政民営化法を成立させた経緯を紹介。「全政党が反対で(民営化法案は)参院で否決された。国民が支持してくれ、参院の(自民党)反対派議員も賛成に回った」と述べた。
 安倍首相が原発ゼロを決断する必要性では「(原発ゼロを望む)世論は軽視できない。首相も国民の声を聞かざるを得ない時期が来る」と主張。「野党は全部、原発ゼロに賛成。反対は自民党だけだ。こんなに恵まれた環境はない」とも指摘し「首相が決断すれば(自民党内の反対派も)従う。自然を資源にする国家をつくろうという方針を決めれば、もう反対できない」と指導力発揮を求めた。
 原発を稼働しながら依存度を減らしていく方法には「再稼働すれば核のごみが増える。最終処分場も見つからない。すぐゼロにした方がいい」と反対論を唱えた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013111390070917.html

小泉氏の発言内容は、少なくとも文言的にはその通りであって、否定する要素はない。
Photo_2
東京新聞11月13日

一方、細川元首相も、安倍政権の原発再稼働路線を「犯罪的な行為だ」と批判し、「原発ゼロ」に向けた活動を国民的な運動に発展させたい考えを示した。

 細川氏は、安倍政権の原発推進政策に関して「ごみの捨て場がないのに再稼働しようとするのは、理解できない。原発について、根本から問い直さなければいけない」と強調した。
 「原発ゼロ」を目指す活動について「政局的な連携でない方が広がっていく。幕末も薩長土肥が攘夷(じょうい)で一致した」と、政党レベルではなく、国民運動として発展させていくべきだと訴えた。
 小泉氏とは約一カ月前に会談した。具体的な会談の内容は明らかにしなかったものの、「核廃棄物の最終処分場がないのにもかかわらず、再稼働を進めることに反対なのは、小泉さんと同じだ」と述べた。
 ただ、「政局レベルの話ではない」と、自らの政界復帰や小泉氏と脱原発新党を結成することは否定。「原発ゼロ」を訴えることで連携し、国民運動推進の一翼を担っていく考えを示した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013111202000129.html

細川氏も小泉氏も一筋縄では捉えられない人だから、表面的な言葉の意味だけでは考えられないだろう。
ただ、ともに世論に敏感な政治家が脱原発の方向で一致したことは、社会的な動きがそちらの方向に向かっていることを如実に示しているとも考えられる。
小沢・生活の党代表が言うように、「高い立場から冷静に考え、原子力はやめた方がいいという思いに至ったと思う」ということかもしれない。

とすれば、民意はすでに「核のごみの処分」「原発のコスト」「原発事故の影響」を冷静に判断しているということになる。
安倍首相がいつまでも再稼働にこだわっていると、それこそ「裸の王様」になってしまうだろう。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)

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