老舗百貨店よ、お前もか!/ブランド・企業論(8)
食品・食材の偽装表示の問題が果てしない広がりを見せている。
⇒2013年10月25日 (金):阪急阪神ホテルズのメニュー偽装/ブランド・企業論(5)
高島屋、三越伊勢丹、そごう西武、大丸松坂屋、小田急などの老舗の名門百貨店でも、総菜売り場やおせち料理における食材の不適切表示が明らかにされた。
http://www.asahi.com/articles/TKY201311060463.html
老舗百貨店といえば、消費者が最高度の信頼を寄せる売り場であったはずである。
百貨店とは、Wikipedia-百貨店によれば、日本では以下のような業態のものである。
日本では経済産業省が実施する商業統計調査の基準によれば、百貨店は「衣・食・住の商品群の販売額がいずれも10%以上70%未満の範囲内にあると同時に、従業者が常時50人以上おり、かつ売り場面積の50%以上において対面販売を行う業態」としており、「品揃えは百貨店と同定義であるが、対面販売の比率が50%以下である」と定義された総合量販店と区別が為されている。
日本の百貨店の多くは呉服店あるいは鉄道会社(私鉄)を起源としており、ほとんどの百貨店は呉服系と電鉄系のどちらかである。
両方とも、ブランドを大事にして長い間商売をしてきたはずである。
上表の名前を見ても、経営統合の様子が窺えるが、2000年代後半に、日本の百貨店業は再編された。
厳しい冬の時代においては、矜持とか誇りなどに構っていられないということであろうか。
不適切表示が確認されたうち、総菜売り場(高島屋日本橋店)で販売されていたのは、フランスの高級食品店フォションの「車海老のテリーヌ」(税込み578円)。実際には、ブラックタイガーが使用されていた。同種のテリーヌは大丸松坂屋でもおせち料理の中に入っていたとされる。
高島屋によると、フォションのレシピは車エビを使用する内容だったが、日本でのライセンス契約を持つ高島屋のグループ会社などがさまざまなエビで試作を重ねた結果、ブラックタイガーを使うことになったという。
高島屋は「ブラックタイガーは、クルマエビ科に属する。形や味が似通っている上に、価格も安く車エビに代わるものとして選ばれた」と説明する。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131105/trd13110522360013-n1.htm
謝罪をする人に共通するのは、決して意図的にごまかそうとした(虚偽表示)のではなく、誤って表示した(誤表示)のだ、という主張である。
まあ、解釈の違いということになるのかも知れないが、誤るのなら、コストの高いものに誤ってもいいのではないか。
誤差論のように、ランダムにプラス・マイナスが出現するとは思わないが・・・・・・
おせち料理を作る人も 少なくなっているのであろうが、百貨店の「おせち」は激減するに違いない。
手作りに戻るという人も少ないであろうから、日本の文化・伝統がまた危機を迎えることになる。
老舗の栄光よ、いまいずこ?
百貨店が、「品揃えは百貨店と同定義であるが、対面販売の比率が50%以下である」と定義された総合量販店(総合スーパー)と区別が為されている」とされているのは、「お・も・て・な・し」の違いを意味しているのではなかろうか。
「お・も・て・な・し」の心を世界にアピールしたところだが、足許が揺らいでいることは否めない。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 藤井太洋『東京の子』/私撰アンソロジー(56)(2019.04.07)
- 暫時お休みします(2019.03.24)
- ココログの障害とその説明(2019.03.21)
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 野党は小異を捨てて大同団結すべし/安部政権の命運(84)(2019.03.05)
「ブランド・企業論」カテゴリの記事
- 日産&ルノー、それぞれの内部矛盾/ブランド・企業論(84)(2018.12.24)
- ゴーン起訴と再逮捕/ブランド・企業論(82)(2018.12.11)
- ゴーン日産前会長VS検察の構図/ブランド・企業論(81)(2018.12.09)
- ゴーン逮捕をめぐる巷の意見/ブランド・企業論(80)(2018.11.22)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント