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2013年11月 4日 (月)

天安門自爆テロ?/世界史の動向(1)

北京の天安門広場で28日、自動車が群衆に突っ込んだ後に炎上した。
市公安当局は、ウイグル族が関与していると見ているようだ。

 北京中心部の天安門前の歩道に28日、車が突っ込んで炎上、43人が死傷した事件で、北京市公安局が車内で死亡した3人を含む少数民族ウイグル族などの8人前後が関与した疑いを強め、行方を追っていることが29日、公安関係者への取材でわかった。
 車内から爆発物の破片などが見つかっていたことも共産党関係者への取
材で判明した。
 警察・司法を統括する党の中央政法委員会は同日の会議で、事件がテロ行為との見方を固めたという。中国からの独立を求めるウイグル族独立派の犯行との見方だが、犯行声明などは出ていない。
 
Photo
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131029-OYT1T01463.htm

現時点では、事件か事故か、事件とすれば新疆ウイグル族が関与しているのか等について憶測するのは慎むべきであろう。
亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長は、中国側の見解をうのみにはできないとして、国際的な調査を実施するよう求めた。

この件にウイグル族が関与しているかどうかを問われ、「関与したかもしれないし、しなかったかもしれない。中国政府がこの事故に関する情報を厳しく管理しており、現時点ではよく分からない」と指摘。そのうえで、もしウイグル族の関与があるとすれば、共産党体制を通じた漢民族の支配下で不当な扱いを受けており、その是正を訴えるための手段がなかったことが原因だとの見方を示した。
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2013/10/112942.php

公安当局は、天安門の事件に関し、ウイグル独立派が指示したウイグル族による「組織的かつ計画的なテロ」などと発表している。
これに対し疑問の声を挙げているウイグル族の学者が公安当局から脅されたと報じられている。

 北京の天安門前で発生した突入・炎上事件後、海外メディアの取材に応じた北京在住のウイグル族学者イリハム・トフティ氏が2日、乗用車で自宅を出た際、公安当局の車に追突された。公安当局者はその際、メディアの取材を受けないよう脅した。人権派弁護士らが3日明らかにした。
 追突された際、イリハム氏は妻や子供2人と一緒だった。追突したのは「国内安全保衛大隊(国保)」に属する公安関係者3人。妻の携帯電話を奪ったという。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013110300197

私が直近に天安門広場を訪れたのは、天安門事件から20年後の2009年6月であった。
発症する半年前であるが、観光客として故宮なども見学した。
その時は、つぎのような事件20周年ということもあっての厳戒かと思ったが、常時のことらしい。
⇒2009年6月 5日 (金):天安門の“AFTER TWENTY YEARS”

今や中国はアメリカと並び、世界の2大国を自負しているし、GDP等の経済指標を見ればそうであるとも言えよう。
Gdp
http://nappi10.files.wordpress.com/2010/09/gdp35b65d.gif

上図を見れば、2040年代初頭には世界No.1ということになる。
しかし、果してこのままのトレンドが30年も続くであろうか?
もちろんそれは分からない。
次のような見方がある。

IMFによると、中国の購買力平価ベースのGDPは約7兆ドルで、約14兆ドルの米国に次いで、既に世界第二位である[International Monetary Fund (2008) World Economic Outlook Database]。中国の経済成長が著しいことから、2026年には、中国の購買力平価ベースのGDPは米国のそれを追い越すかもしれないとする予測もある[Economist.com(2006)The world in 2026]。中国が今後も現在の経済成長のスピードを維持することができるかどうかは、はなはだ疑問であるが、では、もしも、中国のGDPが、購買力平価ベースで、さらには名目でも、米国のそれを追い越したなら、そのとき、中国は米国に取って代わる覇権国家になれるだろうか。
私はそうは思わない。なぜなら、GDPが世界一であることは、覇権国家であるための必要十分条件ではないからだ。
・・・・・・
私は、この観点から、覇権をめぐる列強の争いを、次の三法則で説明してみたい。
1.
その時代が要求する先端技術のパラダイムで主導権を握った国が、覇権国家となる。
2.先端産業の担い手を迫害する国は権力を弱め、彼らが移住した国は権力を強める。
3.古い技術から新しい技術へとパラダイムが変化する時、古いパラダイムで成功した国は、変化に乗り遅れやすくなる。
・・・・・・
以上、私は、覇権国家の盛衰を、三つの法則で説明してきたが、基本的な考えは「先端産業で主導権を握った国が覇権を握る」という第一法則で尽きている。そして、この法則に基づいて、中国が2020年までに覇権国家になるということはまずないと判断できる。
中国は人口が多いので、優秀な人材も多く、彼らが米国で先端的な科学技術を学んでいるのは事実であるが、それにもかかわらず、中国国内ではいっこうに先端産業が育っていないのは、人材や技術に問題があるからではなくて、社会システムに問題があるからだ。

http://www.systemicsarchive.com/ja/a/hegemony.html

技術あるいは先端産業とは何か、という問題はあるが、私も上記見方に賛成である。
中国が引き続き成長していくためには、社会システム(端的には共産党独裁)がネックになる。
しかし、あれだけの領土と人口を統治していく代替的な社会システムも、現時点ではないようである。
中国は、いずれかの時点、おそらくは20年くらいの間に自壊することになるのではないか。

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