ケネディ暗殺とアメリカの闇/戦後史断章(16)
新しい駐日米大使のキャロライン・ケネディさんが、15日赴任した。
初めての女性の米大使であるが、父親は元米大統領のジョン・F・ケネディであり、知名度は抜群に高い。
ということもあるが、ケネディ家はアメリカ屈指の名門血族であると言った方がいいだろう。
http://www.asahi.com/articles/TKY201311150461.html
ジョン・F・ケネディは第35代アメリカ合衆国大統領である。
1960年アメリカ合衆国大統領選挙に民主党指名候補として出馬し、共和党のリチャード・ニクソンを僅差で破った。
1960年は私が高校に入学した年である。
日本社会の空気は、「60年安保」の対立の構図から、この若々しい大統領への期待に一変した。
政治意識に乏しい田舎の高校生にも、何となく新時代の到来を告げているように感じられたことを憶えている。
期待にそぐわず、大統領在任中にピッグス湾事件、キューバ危機、ベルリンの壁の建設、米ソの宇宙開発競争など多くの歴史的事件に精力的に取り組んだ。
しかし、1963年11月22日にテキサス州ダラスで遊説中に暗殺され、犯人として逮捕されたリー・ハーヴェイ・オズワルドは、2日後にジャック・ルビーによって射殺された。
1963年は私の大学入学の年であるが、たまたま叔父の家で、日米間テレビ宇宙中継の実験放送中を見ていた時に、ケネディ大統領暗殺が中継された。
幼いキャロラインの姿が涙を誘った。
キャロライン・ケネディ-Wikipedia
素朴にも、民主主義の国と思っていたアメリカで、このような暗殺事件が起きたことはショックであった。
それにしても、「ケネディ暗殺事件」は多くの謎を秘めたまま今日に至っている。
ケネディ暗殺の真相さえ明らかにし得ぬのは、現代アメリカの暗部であり恥部でもあろう。
ケネディが暗殺されたのは、ダラスの市内をオープンカーでパレード中のことであった。
FBI、ウォーレン委員会、下院暗殺特別委員会のいずれもオズワルドによる単独犯行であるという結論を出しているが、暗殺者と暗殺理由は多くの説がある。
証拠物件は政府によって2039年まで不自然に制限されたり、また大規模な証拠隠滅が行われたと推測できる事象が多くあるともいわれる。
謎のいくつかを「ケネディ暗殺の真相」のサイトから要約する。
ケネディ大統領の頭蓋骨に命中した弾丸によりケネディ大統領は死亡したとされるが、公表された銃弾は新品のようだった…
オズワルドには銃を撃った後に検出されるはずの硝煙反応が検出されなかった・・・
オズワルドの位置からは木が邪魔をして撃つことが出来なかった・・・
また、ケネディ大統領は前から撃たれ 後ろに倒れたが、仮にオズワルドが撃ったなら後ろから撃ったはず・・・
大統領の車が通る予定のルート変更が 突然変更になったのも不自然・・・
21人の目撃者・関係者がいるが、4年以内に全員亡くなっている・・・
これくらいで十分であろう。
エイブラハム・ザプルーダーという人によって撮られた暗殺の瞬間の8ミリ映像には、ケネディ大統領の頭部は致命的と見られる射撃によってひどく破壊され、後方に動いている。
直後にケネディ夫人が動揺した様子で後方に目を移し、オープンカーの後方部分に這い出て、護衛にすぐ引き戻されている映像が独立した複数の映像から確認できる。
ケネディ夫人自身はその行動を認め、後方に吹き飛んだケネディの頭部破片を拾うために這い出たことを後に裁判で証言している。
これらは、射撃はすべて「後方から」リー・ハーヴェイ・オズワルド1人によって行われたとする暗殺真相究明委員会(ウォーレン委員会)による政府側報告書と矛盾している。
ケネディ大統領の急進的なベトナム戦争撤退の方針が政府側もしくは軍産複合体の利害と対立して、暗殺につながったという説など、様々な陰謀説が存在するのも根拠なしとは言えない。
ケネディ大使は、19日に天皇陛下に信任状を奉呈する予定で、安倍首相らへの挨拶を済ませてから活動するという。
奇しくも22日はケネディ元大統領の50年目の命日にあたる。
真相は2039年の証拠物件の開示によってはっきりするのであろうか?
ここにも情報開示がカギを握っている問題がある。
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