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2013年10月23日 (水)

汚染水の流出は止められるか?/原発事故の真相(91)

汚染水の流出が止まらない。

 東京電力は23日、福島第1原発の汚染水を貯蔵する地上タンクで約300トンの漏えいがあった「H4」エリア付近の排水溝で22日に採取した水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大5万9000ベクレル検出されたと発表した。過去最高値だった17日採取分の3万4000ベクレルを上回った。
http://mainichi.jp/select/news/20131023k0000e040184000c.html

一方、安倍首相は、23日午前の参院予算委員会で、「福島近海での放射性物質の影響は発電所港湾内の0・3平方キロメートルにおいて、完全にブロックされている。外洋においても福島県沖を含む広いエリアでしっかりモニタリングをしていて、基準値をはるかに下回る値だ」と答弁し、相変わらず「完全にブロック」を強調している。
果して「完全にブロック」と言っていい状況かどうか?
汚染水の流出が続く限り、そうとも言っていられないのではなかろうか。

独立行政法人の産業技術総合研究所は、福島原発の原子炉建屋に流入する地下水の大部分は敷地に降った雨水によるという研究結果をまとめた。
敷地全域を舗装して遮水するなどの対策を取れば地下水の流れがほぼ止まり、汚染水の増加が防げる可能性があるとしている。
131021
静岡新聞10月21日

産総研の研究グループは、東電が公表している地下構造データをもとに地下水の流れを解析し、次のような見解を取りまとめた。

 福島原発の地下は水を通しやすい砂岩の層(透水層)と、水を通しにくい泥の層(不透水層)が重なる。敷地内に降った雨は地下20~40メートルの「富岡層T3部層互層部」という地層から上を流れていた。一方、阿武隈山地で降った雨水は地下深くを通過し、同原発の原子炉建屋には流入していないとみられる。
建屋には毎日400トンの地下水が流入しているが、敷地内に降る雨水量をもとにした計算とほぼ一致。原発建設前は建屋付近に川が流れていたが、水源は敷地内の雨水と推定され、今回の分析結果と矛盾しない。
 このため、原子炉建屋に流れ込む地下水はほとんどが雨水で、一部が原発西側の水田からの流入と結論づけた。これが裏付けられれば、敷地全体を舗装や防水シートなどで遮水処理し、原発建屋周辺への地下水流入を防げる可能性が高まる。

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO61125800W3A011C1CR8000/

海洋に流出する水は、降水に由来する。
この水が建屋の地下で直接核燃料に接触するか、冷却用水が漏出するかは分からない。
しかし、元を閉めることができれば、流出するものもなくなるであろう。
⇒2013年10月 4日 (金):むしろuncontrolと言うべきでは/原発事故の真相(89)
⇒2013年8月29日 (木):原子力市民委員会の緊急提言/原発事故の真相(81)
⇒2013年8月 7日 (水):福島第一原発の汚染水の水収支/原発事故の真相(76)

東電は地下水の流入を防ぐため、原子炉建屋を囲う凍土壁建設計画を進めている。
43c0bf585d171c9f4d6b0a882578392f
http://blog.goo.ne.jp/torl_001/e/7fb97d94a219aea8b271fd887b4de8b2

この凍土壁の場合、円筒ではなくコップのように形成できるかどうかが成否の分かれれ目だという。
「底の無い筒状のモノ」を水中に垂直に入れた場合、筒の中の水面は周りの水面と同じで下がらない。
この状態では原子炉や建屋などからの汚染水が外部に染み出てくるだろうといわれる。

どちらがより効果的か、またより費用が安いか?
あるいは他に方法があるのか?

今の状況では、安倍首相は世界に対して大ウソを騙ったことになり兼ねない。
今までの経緯に拘らず、汚染水対策を急ぐべきだ。
⇒2013年4月15日 (月):福島第一原発の汚染水は他に対策がないのか?/原発事故の真相(68)
⇒2013年7月28日 (日):高濃度汚染水対策を急げ/原発事故の真相(74)

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