生薬と漢方薬/「同じ」と「違う」(60)
8月28日の新聞に、「龍角散の故郷『生薬の里』に」という記事が載っていた。
龍角散はのどの薬として、私にも馴染みがある。
Wikipedia-龍角散には次のように解説されている。
龍角散は非常に歴史の古い薬であり、原型は、江戸時代中期に佐竹藩の御典医である藤井玄淵によって創製され、藩薬として重宝されていた。蘭学を学んだ2代目玄信が西洋の生薬を取り入れ改良する。3代目正亭治が、藩主佐竹義尭の持病である喘息を治すためにこの薬を改良した。龍角散と命名されたのもこの頃とされている。龍角散の名は龍骨・龍脳・鹿角霜といった生薬に由来するが、これらの生薬は後の処方見直しの際に外されてしまう。
明治維新によって藩薬であった龍角散は藤井家に下賜される。1871年に藤井家は佐竹藩江戸屋敷に近い神田豊島町(現・東神田の本社所在地)で薬種商をはじめ、龍角散は一般に発売されることとなった。4代目藤井得三郎が龍角散の剤型を現在のような微粉末状に改良する。また、積極的に新聞広告や街頭宣伝を行い、龍角散を全国的なヒット商品に仕立てることに成功した。
この解説からすると純粋に和製の薬らしい。
私は語感からして、漢方薬の一種だと思っていたが、とんだ思い違いらしい。
Wikipedia-漢方薬には次のようにある。
漢方薬 (かんぽうやく)は、伝統中国医学の一種で、日本で独自に発展した漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品。
それでは生薬はどう解説されているか。
生薬(しょうやく、きぐすり、Crude Drugs)とは、天然に存在する薬効を持つ産物から有効成分を精製することなく体質の改善を目的として用いる薬の総称である。
三島に所縁のある薬草・ミシマサイコ(三島柴胡)について、書いたことがある。
⇒2013年8月26日 (月):絶滅危惧種・ミシマサイコの復活
秋田県美郷町は、昨年訪れた角館の近くである。
⇒2012年10月28日 (日):みちのくの小京都・角館/みちのく探訪(2)
美郷町の「生薬の里」で栽培されるのは、甘草である。
甘草は、漢方薬に広範囲にわたって用いられる生薬であり、日本国内で発売されている漢方薬の約7割に用いられているという。
漢方薬は一般的に複数の生薬をあらかじめ組み合わせた方剤をさすが、甘草湯は甘草のみを用いた単味の処方である。
スペインカンゾウ(Wikipedia-カンゾウ属)
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