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2013年9月12日 (木)

全国学力テスト静岡県の乱/花づな列島復興のためのメモ(259)

文部科学省が、4月に実施した2013年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。
静岡県は、国語Aが都道府県別最下位で、正答率は全国(公立)平均より5ポイント低く、ブービーの沖縄県と比べても0.6ポイント下回った。
Photo_2
http://www.at-s.com/news/detail/744827390.html

この結果が、川勝平太静岡県知事を激怒させた。

 川勝平太知事は9日の定例記者会く見で、本年度の全国学力テストで県内公立小学校の国語A(基礎問題)が都道府県別で最下位だった結果を「子どもではなく教員に責任がある」と批判し、国語Aの平均正答率が県内下位100校の校長名公表を検討する考えを明らかにした。
 現行の学力テストの実施要領では、自治体による学校別結果の公表を禁じている。文部科学省の担当者は取材に対し「校長名は学校名と同じで実施要領に反する」と述べた。
 知事は「校長の責任は大きく、反省材料にしてほしい」と説明。実施要領が学校名を非公表としている点には「それならば、校長は…」と話した。また、下位の学校に優秀な教員を配置するアイデアを示し、「学力はスポーツや芸術の出来不出来と同じように捉えるべき。学力が人格の大半を支配するかのように点数を隠すことで、かえって偏差値教育を助長している」と強調した。
・・・・・・
 知事の発言に対し、県校長会の渡辺勉会長は公表の賛否に関する明言は避け、「危機感を鼓舞するという意味で捉えたい。対策にいっそう力を入れる」と述べた。県教職員組合の小山悟書記長は「学校現場に混乱を招く可能性がある」と懸念を示した。

http://mugentoyugen.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-520d.html

川勝知事は学者出身であり、「読み・書き・ソロバン」という情報リテラシーの中でも最も基本的な読解力がワーストだという結果が許せなかったのであろう。
⇒2009年7月 6日 (月):静岡県知事選挙の結果と自民党の迷走
⇒2013年8月 2日 (金):川勝平太静岡県知事の生態史観図式論/梅棹忠夫は生きている(6)

文部科学省は学力テストの実施要領で学校名を明らかにした成績の公表を禁じている。
テスト成績の扱いについて、公表しても罰則がないために秋田県が市町村別に公表したことがあり、佐賀県武雄市は昨年12月に学校別で公表した。
文科省の方針は過度な成績競争を防ぐためで、1960年代に続いた学力テストをやめる大きな理由になった。知事は「校長名の公表は問題ない」と言うが、校長名が分かれば学校名もわかるので、実質文科省に対するアンチテーゼである。

私は、学力テストの平均点にどのような意味があるかをもっと吟味してからでも、と思うが、「全国最下位ではねえ」という声が聞こえるのも事実である。
最近、おおたとしまさ『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?荒俣宏、内田樹、瀬戸内寂聴、坂東眞理子、福岡伸一、藤原和博、茂木健一郎、養老孟司 8人の識者に聞きました』 日経BP社 (2013年6月) を読んだ。
登場する8人は、いま最も“旬”といっていい識者だろう。
いずれも、真摯に、全力で、回答している。

川勝知事の持ち味はいささかスタンドプレーに偏りがちなところだろうが、「なぜ勉強しなければならないのか?」を真剣に考える機会になれば幸いというべきであろう。

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