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2013年8月 7日 (水)

福島第一原発の汚染水の水収支/原発事故の真相(76)

東京電力福島第一原発の放射能汚染水の海への流出は、汚染水が遮水壁を乗り越えた結果である可能性が高いことを東電が認めた。

 東京電力福島第1原子力発電所から高濃度に汚染された水が流出している問題で、地下の「遮水壁」を乗り越えて海に漏れ出ている可能性が高いことが2日、明らかになった。原子力規制委員会の作業部会で、更田豊志委員らが指摘し、東電も認めた。魚など海洋生物などへの影響が懸念されるため、規制委は東電に緊急対策を指示した。
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http://www.nikkei.com/article/DGXDASGG0202M_S3A800C1EA2000/

遮水壁を設けたということは、外部との水の出入りができないようにするためである。
2011年の事故の初期対応の段階で、東京電力は、海への流出を防ぐ遮水壁の設置に前向きではなかった。

 福島第一原子力発電所の地下水が海に漏れ出るのを防ぐ「遮水壁」の「設計着手と工事着工の前倒し」について、東京電力の姿勢と政府の姿勢の食い違いが明らかになってきている。東電は後ろ向き、政府は積極的なのだ。もし東電の出費で工事することが決まり、その費用を合理的に見積もれる場合は、東電は、直近の決算にそれを損失として計上する必要がある。これについて東電は「仮に1000億円レベルの更なる債務計上を余儀なくされることになれば、市場から債務超過に一歩近づいた、あるいはその方向に進んでいる、との厳しい評価を受ける可能性が大きい」とし、「これは是非回避したい」とする文書を作成し、政府側に渡したが、この露骨な文面がインターネット上で暴露される事態となった。
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http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/articles/2011062700006.html

簡単な水収支の問題のように思える。
遮水壁で囲んだ部分の容積は算出できる。
排出されている汚染水の量も把握できるであろう。
地下水がどう関与しているかは分からないが、遮水壁の下部における水の入りと出は概ね等しいのではなかろうか。
とすれば、どれくらいで満杯になり、満杯になった後どれくらいの量が流出するかは、予測できるのではないか?

 東電は岸壁近くの土を薬剤で固めて遮水壁を造り、汚染水が海へ流出するのを防ぐ工事を進めている。遮水壁ができあがっていくにつれ、観測井戸の水位が地表から1メートルほどまでに急上昇した。遮水壁で地下水がせき止められ、行き場がなくなったためとみられる。
 遮水壁は工法の制約で地下1・8メートルより深い部分しか造れない。すでに、観測井戸の水位が遮水壁の上端を上回っており、完成しても海への流出が止められないのではと懸念されている。このままのペースで上昇すれば3週間で、水が地面にあふれ出す計算だ。

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http://www.asahi.com/national/update/0803/TKY201308030013.html

水位が上昇しているのは、遮水の効果であろう。
(水位の変化量×遮水壁で囲まれた部分の断面積)が、流入水量と流出水量の差(水収支)である。

東電の対策は、その場しのぎ、場当たり的という感じを否めない。
汚染水対策は、国際原子力機関が「収束への最大の壁」とする問題である。
⇒2013年7月28日 (日):高濃度汚染水対策を急げ/原発事故の真相(74)

東電の対策は後手後手であるが、それは上記のように当初から、会計的な見栄えを気にして、海に出さないという心構えが欠如していたのではないか。
政府は、汚染水の対策費用の一部を国費で補助する検討に入った。
私も、東電では対応しきれない問題であると考えてきた。
⇒2013年4月 9日 (火):東電の当事者能力の欠如/原発事故の真相(66)

したがって、政府が支援すること自体は賛成である。
しかし、東京電力という企業を破綻処理する等の処置を講じないと、社会的な衡平性が保たれないのではないか。

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