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2013年8月23日 (金)

政府は非常事態宣言を発するべき/原発事故の真相(80)

福島原発事故の汚染水にどう対処するのか?
東京電力の対応能力と姿勢では、ムリである。
政府として、「非常事態宣言」を発し、国として全力で対処する段階ではないか。2130823
東京新聞2013年8月23日

廃炉が完了するまで、炉の冷却は続く。
完全なリサイクルができなければ、汚染水も増え続ける。

 福島第一原発は、1〜3号機の原子炉にある溶けた核燃料を冷やすため、水を循環させている。冷却水は放射性セシウムや塩分を取り除いて再利用するが、原子炉建屋などには地下水が1日約400トン流れ込み、冷却水と混じって、放射性物質を含む汚染水が増え続けている。これらの汚染水を原発敷地内で保管するのが、地上タンクと地下貯水槽だった。
 原発の敷地内にある貯水タンクは大型でも容量は約千トン。これに対し、地下貯水槽の容量は2千トンから1万4千トンと大きく、総容量は約5万8千トン。東電は貯水槽を汚染水保管の「切り札」として考えていた。しかし、汚染水漏れの相次ぐ発覚で、貯水槽の使用を断念した。
 東電の地上タンクの増設計画は、現在約33万トンの保管総容量を今年9月までに45万トン、平成27年9月までに約70万トンに増やすとしていた。貯水槽の使用断念を受けた緊急対策として、増設時期をできるだけ早めるとしている。地上タンクについて「設置スペースの確保はできている」とする。
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/05/post_7109.html

漏えいのあったタンクの容量は1000トンで、漏えい前はほぼ満杯だった。福島第一原発には1000基を超えるタンクが設置されている。13日現在、39万トンあるうち33万トンの汚染水が貯められている。  
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRT5FW6S973301.html

汚染水の増加量は400トン/日だと言われる。
漏えいのあったタンクの容量1000トンは、2日半で満杯になる。
「設置スペースの確保はできている」といっても、いずれ限界がくる。

1年365日で、14.6万トンである。
1000トンのタンク146本分である。
残容量6万トンだとすれば、150日程度の余力しかない。

増設するにしても、費用はともかく、時間と場所の制約がある。
廃炉まで40年とすれば、584万トンである。
40年はともかく、いたちごっこのような状態である。
地上タンクにせよ地下貯水槽にせよ、漏出の可能性は常にある。

そのような危うい状態で、何が“収束”であるといったのだろう。
原子炉は、機能を果たせなくなっても冷やし続けなければならないのだ。
発電コストにどこまで算入しているのだろうか?
原発は稼働させればコストが安いといった高市自民党政調会長にお伺いしたい。
⇒2013年6月19日 (水):高市発言の思考の文脈/原発事故の真相(73)
⇒2013年6月20日 (木):原発の出口戦略をどう考えるのか/花づな列島復興のためのメモ(233)

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