ニーズとウォンツ/「同じ」と「違う」(58)
ビジネスにとって、人間の欲求をどう捉えるかということは、根本的な問題である。
ドラッカーは、企業の本質的な機能は、マーケティングとイノベーションであると言っている。
http://blog.livedoor.jp/yukug-management/archives/8100841.html
つまり、既にある欲求に係わるものがマーケティングであり、まだない欲求に係わるものがイノベーションである。
欲求に関連した言葉として、ニーズとウォンツはある。
マーケティングでは、ニーズとウォンツは似て非なるものとされている。
ニーズは日本語に訳すと「必要性」である。
日常生活を送る上で欲求がなくなることはない。
お腹が空けば何か物が食べたいという欲求は現れるし、夜遅くなれば眠りたいという欲求が現れる。
人はこのように24時間、自分の生活に充足できていないもの求める願望を持っている。
この「何か物が食べたい」とか「眠りたい」という漠然とした願望がマーケティングでいうニーズである。
ウォンツは日本語に訳すと「欲望」である。
一見ニーズと同じように感じるがマーケティングの定義上、ウォンツはニーズよりももっと踏み込んだ願望ということができる。
「何か物が食べたい」というのではなく、寿司が食べたいとか、ラーメンが食べたいというようにより具体性を持った欲求である。
あるいは、寿司を食べるにしても、一流のすし屋なのか、回転すしなのか。
あるいは、禁煙について考えてみよう。
健康のためには禁煙の必要性(ニーズ)がある。
しかし喫煙者のほとんどが禁煙をしたいのに、今すぐ禁煙にトライしようとは思っていないという。
禁煙がウォンツではないということだろう。
かくいう私も何回かの挫折の末に、現在は吸いたいという欲求が消え失せてしまっている。
マズローの欲求段階説というものがよく知られている。
表現に微差はあるが、おおよそ下図のような図式で表現される。
http://ch.nicovideo.jp/minobe/blomaga/ar204859
ニーズとウォンツの軸で、市場を分けることができる。
http://bazubu.com/23timesres-5873.html
ニーズとウォンツの状況によって、打つ手は変わってくる。
上図の「今すぐ客」になれば商談のクロージングは近いと言える。
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