円安は良いことか?/アベノミクスの危うさ(9)
いわゆるアベノミクスの「3本の矢」の1本として、黒田日銀総裁が「次元の違う」金融政策を打ち出したのは4月4日のことだった。
すでに政権交代必至と見られていた昨年11月段階から、株価と円安はかなり進んでいたが、それが一段と加速した。
「スピード違反」との声もあったが、マスメディアはおおむね好意的に論評していたのではないだろうか。
ところが、5月23日に日本の株式市場は突然変調をきたし、せっかくの異次元緩和の効果はほとんど無に帰してしまった。
⇒2013年5月29日 (水):アベノミクスの危うさ/花づな列島復興のためのメモ(221)
⇒2013年6月15日 (土):アベノミクスの危うさ(7)/花づな列島復興のためのメモ(231)
伊藤隆敏「経済教室」・日本経済新聞7月2日
5月23日以降の変調は一過性のものなのか?
4月4日~5月22日の円安・株高と5月23日~現在の円高・株安をどう見るか?
それは、今後2年間でマネタリーベースを2倍に増加させ、消費者物価指数上昇率を2%にするとした日銀の金融政策にムリがあるのだろうか?
「円安が進行して輸出が増大する。輸出関連企業の利益が増大し、株価が上がる。日本経済は長く続いた停滞から脱却しようとしている」と見るべきなのか?
円安は、国民にとってプラスの面が大きいのか?
7月になって、さまざまなモノが値上げとなった。
この夏値上げされる品目は以下のようにまとめられている。
東京新聞7月1日
円安がアベノミクスの効果だとして、円安はもろ手を挙げて歓迎すべきことなのか?
円安の日本経済への影響はどうか。
もちろん、プラスの面もマイナスの面もある。
東京新聞7月1日
問題は、上記図式の「明」は大企業であって、圧倒的多数を占める中小企業や家計は「暗」の側に位置することである。
タイムラグを伴って、中小企業や家計にも波及するという説明がされる。
私には、格差の拡大・固定化が進んでいるように見えるのだが。
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