参院選とねじれの構造/花づな列島復興のためのメモ(241)
第23回参院選が公示され、21日の投開票に向けた選挙戦が始まった。
今回の参院選から、インターネットを使った選挙運動が解禁されたのが1つの話題である。
しかし、何がどこまで許されることになったのだろうか。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1307/04/news022.html
上図は総務省のチラシである。
従来は公示とともに候補者がTwitterへの投稿などを停止していたが、参院選からはWebサイトやブログ、TwitterやFacebookなどのSNSを選挙運動に活用することが可能になった。
政党・候補者に加え一般の有権者も選挙運動に利用することができるが、メールの利用は政党・候補者のみ認められ、有権者は禁止されている。
候補者から支持を訴えるメールを受け取った場合、これを友人などに転送することは禁止となるということだ。
Facebookのメッセージ、LINEなどのメッセンジャーは「メール」ではなく「Webサイト」に含まれるため、利用は可能である。
メールの内容をコピーしてSNSで友人とシェア(転送)するのは問題ない。
メールは禁止なのにSNSは認められるとは分かりづらいが、両者の通信方式が異なるというのが理由だ。
SNSは有権者も解禁の対象となるウェブサイトに含むという認定である。
候補者からメールを受け取り、添付された公約やポスターを印刷して配布した場合は違反。
境界が分かりづらいのは確かと言えよう。
それはともかく、衆参のねじれが解消されるか否かが、今後の政治のあり方に大きな影響を及ぼすことになる。
ねじれの構造は6年前の安倍政権下の参院選で生まれたものであり、安倍首相は、ねじれの解消は自分のミッションだという感じである。
確かに、ねじれによって、決められない(決まらない)政治が続いた。
⇒2013年6月28日 (金):失われた6年間/花づな列島復興のためのメモ(237)
しかし、それをどう評価するかは別の問題である。
国政のイシューは多岐にわたっているが、政党の姿勢そのものが、明確に分かれているわけではない。
たとえば「憲法96条改正」「原発」「TPP」という3つの争点について、各党のスタンスは下図のようである。
東京新聞7月4日
政党のスタンス自体がねじれていると言った方が正確であろう。
注目すべきは、原発については自民党だけが際立って他党と異なる姿勢であることである。
他の2つの争点については、維新とみんなが比較的自民党に近い。
しかし、原発については、明らかに自民党と一線を画している。
私は、核燃料サイクルが完結しない限り稼働できないと考える。
そして、現実にその見通しは立っていない。
⇒2013年5月25日 (土):核燃料リスクをどう軽減するか?/花づな列島復興のためのメモ(219)
つまり、原発には期待しないという立場である。
もちろん、安定的なエネルギー供給は大切である。
しかし、そろそろサプライサイドに立った政策ではなく、デマンドサイドに立った政策に重心を移すべきだろう。
つまり省エネである。
省エネを我慢して行うのではなく、一定の快適性のレベルは維持しつつ、使用エネルギーを減らすための技術開発を応援するようなスキームである。
いわゆるグリーンデバイスは、日本の得意とする分野である。
エネルギー原単位をどこまで減らせるか、それを追求することなしの原発再稼働は本末転倒というべきである。
政党政治ではあるが、民意は政党では括れないのではないか。
ねじれていることが、むしろ健全のような気がする。
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