安定か不安定か?/花づな列島復興のためのメモ(249)
参院選で自民党が圧勝したのは、国民が安定を望んだ結果である、というのが大方の見方のようである。
私も、不安定な政治よりも安定した政治が好ましいと考える。
しかし、不思議なことに、内閣支持率は急落した。
共同通信社が参院選直後の2013年7月22~23日に実施した全国緊急電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は56.2%で、前回6月調査の68.0%から11.8ポイント急落した。支持率が50%台となったのは12年12月の第2次安倍内閣発足以来、初めて。不支持率は31.7%で、前回(16.3%)からほぼ倍増した。
http://www.j-cast.com/2013/07/24180064.html
まあ、自民党を勝たせすぎたという気持ちもあるのかも知れない。
あるいは、参院選は、自民党の圧勝というよりも、野党の圧敗(?)というべきかもしれない。
野党第一党の民主党の体たらくについては既に触れた。
⇒2013年7月22日 (月):参院選の最終結果/花づな列島復興のためのメモ(248)
⇒2013年7月23日 (火):民主党はどうなるか?/民主党とは何だったのか(10)
⇒2013年7月25日 (木):アイデンティティなき民主党の末期/民主党とは何だったのか(11)
菅氏は、党員資格停止3カ月とする処分で落着したらしい。
しかし、火種が消えたわけではなさそうである。
日本維新の会の橋下徹共同代表は、参院選後の会見で、維新でも、みんなの党でも民主党でもない新たな政党の必要性を訴えた。
橋下氏はその新政党のキーマンは民主の前原誠司元代表だという。
民主党は、非改選議席のお陰で当面野党第一党ではあるものの、このまま行けば次の国政選挙までその座を保ち得るのか疑問である。
前原氏も、その辺りの読みはしているのであろう。
確かに今の野党で存在感があるのは共産党のみと言って良い。
共産党が政権を握ることは、私が生きている間には起こりそうもないから、政権を担える党が出現するのは望ましいことである。
現状では、自民以外はみな諸派、といった感じである。
みんなの党では、渡辺喜美代表と江田憲司幹事長が路線闘争の様相だ。
25日に開かれたみんなの党の両院議員総会で、渡辺氏と江田氏がともに退席を求められるという異例の事態になった。
渡辺氏は、「今すぐ政界再編を仕掛けるというのはあまりにも拙速だ」として、野党再編に向けた動きを加速している江田氏を批判した。
江田氏は、維新や民主の一部との連携に動いており、党の独自路線に重きを置く渡辺氏との対立は深まる一方のようである。
社会民主党の福島瑞穂党首が、7月25日付で党首を辞任したという。
既に歴史的使命を終えている党とはいえ、かつての日本社会党を知る者にとっては、余りにも存在感が無さ過ぎた。
私は、福島氏が、「TPPに入れば瑞穂の国は壊れる」と自分の名前に掛けて安倍首相を批判している演説の様子をTVで視聴したが、寒々とした感じしか覚えなかった。
みどりの風は、参院選の結果により政党助成法に基づく政党要件を失うことになった。
自身も落選した谷岡代表は、22日名古屋市内で記者会見し、代表辞任を表明した。
谷岡氏は、「みどりの風は役割を終えた」との認識を示したが、党の解散に関しては「残った人たちが決める問題だ」と述べた。
生活の党は両院議員総会で、小沢一郎代表の続投を全員一致で確認した。
小沢氏は参院選での自民党圧勝について「(批判票の)受け皿として野党が結集できなかったことが大きな敗因だ」と述べ、次期衆院選に向けて野党再編を実現する意欲を重ねて示した。
ここにも、野党再編のマグマが存在する。
内閣支持率が急落したのは、いわゆる無党派層が増えているのではないか。
野党間の調整がどうなるかはまったく分からないが、何らかの動きが出てくることは間違いないだろう。
一党独裁的な状況は決して好ましいことではないだろう。
そう言えば、民主党から追放されかかった菅氏が、首相在任中、次の総選挙までの間は独裁が許される、という論理をふりかざしたことがあったなあ。
⇒2011年8月14日 (日):退陣菅内閣の「7つの大罪」論と後継内閣の責務
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