民主党はどうなるか?/民主党とは何だったのか(10)
参院選では、予想通り民主党が惨敗した。
この結果を受けて、細野豪志幹事長は8月末をめどに、幹事長を辞任することを明らかにした。
役員会では慰留の声もあったようだが、応じなかったという。
細野氏は「17議席の結果にとどまったこと、(候補者を一本化した)東京選挙区で勝利させられなかったことは私に責任がある」と理由を述べた。
この日の党役員会では、慰留の声があがり結論は出ず、その後に細野氏と海江田氏が2人で会談。その場で、海江田氏が、約1カ月かけて参院選の総括と党再建策をまとめた後に辞表を受理することを了承したという。
http://www.asahi.com/politics/update/0723/TKY201307230284.html
機を見るに敏な細野氏のことだから、民主党の行く末に見切りをつけたのかも知れない。
それにしても、
民主党とは何だったのかと、改めて思う。
私は、衆院選の大敗の総括をした民主党党大会の様子の報道を見て、次のような感想を持った。
民主党が掲げた政治主導、天下りの根絶、地域主権等の公約は、基本的には間違っていないだろう。
問題は、掲げた旗と実際にやっていることが全く異なっていたことだろう。
民主党が国民に見放されたのは、改革の道から逸脱し、そのことにあまりにも鈍感であったからではないか?
「原点を見つめ直す」ことは必要だろうが、掲げた理念をどう共有し、具現化していくのか?
このままでは、野党としての存在感も示せないだろう。
そして夏の参院選でも、後退を余儀なくされることは必定である。
⇒2013年3月 2日 (土):民主党は再生できるか?/民主党とは何だったのか(9)
にもかかわらず、民主党の反省は生ぬるいものだった。
もっとラジカルに総括しなければならなかったはずである。
民主党が政党の体をなしていないことは、3人の首相経験者の言動をみれば明らかである。
鳩山氏は、尖閣諸島が、中国側から「盗まれた」と言われることを理解すると発言した。
また、「尖閣諸島は係争地」だと発言した。
これを認めると、一国が勝手に他国の領土に領有権を主張すれば、いくらでも領土問題が発生し、係争地が続出することになる。
尖閣諸島の歴史にはいろいろな見方があり得るだろうし、鳩山氏が尖閣問題についてどう考えようと、ある意味では自由である。
しかし、首相経験者の海外での発言としては如何なものだろう。
民主党は公示2日前に東京選挙区で候補者を鈴木寛氏に一本化した。
菅氏は、公認から外れた大河原雅子氏の応援演説を行うなどした。
結果的には、公認候補の鈴木氏も、無所属で出馬した大河原氏も落選してた。
党東京都連は「反党行為に当たる」として菅氏の処分を執行部に求めており、党内では処分の中で最も厳しい除籍(除名)とするよう求める声も上がっているという。
菅氏個人が誰を応援しようと構わないが、自党の公認候補と対立している候補者を応援するならば、民主党を離党してからすべきである。
野田氏は、民主党を下野させた張本人である。
自分のことを「ドジョウ」にたとえたときから胡散臭かったが、衆院本会議の論戦でこぼした恨み節で、「歌の文句じゃありませんけれど、だました人が悪いのか、だまされた私が悪いのか……」と口にした。
前首相が国会で言うことではないだろう。
地元・千葉県船橋市のJR船橋駅前の演説では、「最近、一番、聞かれることがあるんです。総理公邸に幽霊は出るんですか? 見てません! 安心してください。でも、幽霊より怖いのはやっぱり人間だなあと思います」。
何とも格調とは縁遠い人である。
首相経験者が揃ってこの調子である。
今さらではあるが、お粗末な党であった。
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