原発再稼働と安倍政権/花づな列島復興のためのメモ(238)
安倍首相は原発再稼働に向かって前のめりのようである。
自民党内には有志でつくる「電力安定供給推進議員連盟」(会長・細田博之幹事長代行)があり、 「(再稼働を)大きな世論の流れにしていかないといけない」としている。
再稼働推進派のが6日に開いた会合で、はこう強調した。
議連のメンバーには細田氏の他に、大島理森前副総裁(衆院青森3区)や高木毅国対筆頭副委員長(衆院福井3区)ら地元に原発がある有力議員が入っている。
それぞれの選挙区事情があるのだろうが、こうした動きについて、自民党の中からさえも、疑問の声が上がっている。
党政調幹部の一人は「参院選を戦う上で議連の動きはマイナスだ。全体として票が減る」と戸惑い気味。「福島が収束してもいないのに日本の原発が世界一安全と言えるわけがない。調子に乗っているのではないか」。党内からはこんな声も漏れている。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013060800209
安倍首相地震も再稼働に意欲的だ。
5月15日の参院予算委員会で、次のように答弁している。
「原発再稼働に向けて政府一丸となって対応し、できるだけ早く実現していきたい」
明確な“再稼働ありき”の意思表示である。
デフレ経済からの脱却が安倍政権のミッションであって、そのためには「3本の矢」の中でも、「成長戦略」を実体化していかなければならない。
しかし、「再稼働による経済成長」か、それとも「脱原発による経済停滞」かの二者択一が正しい問題の立て方だろうか?
もちろん、安倍首相も、「原発については安全第一が原則だ。その安全性については原子力規制委員会の専門家に判断を委ねる」として、新規制基準を満たさない限り再稼働しないとしている。
しかし、上記の議連の動きは、規制委に圧力を加えようとしているのではないか。
また、原発の輸出にも熱心である。
あたかもトップセールスが自分の役割と思っているようである。
5月、2011年の東京電力福島第1原発事故後初の原子力協定にアラブ首長国連邦(UAE)、トルコと署名。サウジアラビアとも協議開始で合意した。5月29日にはインドのシン首相と会談し、原子力協定に向けた交渉再開で合意した。6月にはチェコなど東欧4カ国を訪問するが、ここでも原発輸出が主要テーマになる。
http://biz-journal.jp/2013/06/post_2298.html
福島原発事故のような重大な事故を繰り返してはならない。
そのためには、事故が起こった原因を疑問の余地なく明らかにしなければならないだろう。
それがなされない限り、「安全」と言えないことは論理の帰結だろう。
おそらく、安倍首相ががセールスを行わなくても、世界の原発は増えていくだろう。
中国をはじめ、インド、インドネシア、ブラジルなどの人口大国は、原発に依存せざるを得ないと考えているはずである。
原爆の惨禍を体験し、さらに福島原発事故を起こした日本の役割は、脱原発を図りつつ、成熟経済を実現する方向性の提示にあるのではなかろうか。
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