NPB(日本野球機構)よ、お前もか?/花づな列島復興のためのメモ(228)
何とも不可解な印象を受ける。
日本野球機構(NPB)が、飛距離を抑えることなどを目的に2011年から導入していた統一球を、今季から変更していたことを認めたと報道されている。
東京新聞6月12日
プロ野球では今季、昨年までの2シーズンに比べて本塁打が増加傾向にある。
仙台市で11日に行われた日本プロ野球選手会との事務折衝で統一球の検証と説明を求められ、経緯を明らかにしたものである。
つとに一部では指摘されていたことである、
東スポ4月7日
http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/151822/
不可解というのは、いままでNPBが「統一球の仕様は変更していない」と、説明していたことである。
なぜ、そういう説明をしてきたのか?
何が都合が悪いのだろう?
しかもメーカーのミズノに、「全く変わっていない」と答えるように指示していたという。
普通に考えて、プロ野球はスポーツ性とエンターテイメント性を併せ持っている。
スポーツ性とは、端的に言えば、フェアプレー、ファインプレーの具現化であろう。
それは、健全性の精神の具現化でもある。
オリンピックがスポーツの祭典になっているのも、フェアプレー、ファインプレーが行われるという前提があるからである。
最近は、オリンピックもビジネス性が重視されるようであるが、それはあくまで運営サイドの話であって、競技者、あるいは観衆にとっては、第一に考えることではないだろう。
しかし、プロ野球も「プロ」であるからには、お客さんを楽しませることも必要だろう。
エンターテイメント(エンタメ)性である。
将棋の世界において、将棋ソフトと棋士との戦いを許可制にして厳しく制限したのは、昨年亡くなった米長邦雄永世棋聖であるという。
コンピュータとの戦いが「売り物」になると考えたからだという。
さすがに「読み」が深いというべきだろう。
米長さんの読み通りに、将棋ソフトと棋士が戦う「電王戦」は、幅広い注目を集め、ファンの裾野を広げることに貢献しつつある。
⇒2013年4月 4日 (木):佐藤可士和さんの「キレ」と「コク」/知的生産の方法(46)
⇒2013年5月 5日 (日):将棋ソフトの進歩と解説ソフトの可能性/知的生産の方法(52)
⇒2013年6月 5日 (水):将棋ソフトにおけるイノベーション/知的生産の方法(58)
そういうエンタメ性のために、投高打低といわれる状況よりも、もっと打が有利な方が好ましい、という判断は首肯できるものであろう。
別に秘密にしておかなければならない理由はない。
別にコアなファンでなくとも、今年はホームランが多いなどの現象には気がついていた人は多いのではないか。
その人たちも、飛ぶ球に仕様変更したことについて、「やっぱり」と思っても、「ケシカラン」とは思わないだろう。
しかし、虚偽の説明をしてきたことについては、「ケシカラン」というだろう。
これは、イエローカードというよりも、レッドカードである。
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